弱視教育は見えにくい対象や物を、無理に何とかして見させることではありません。
誰でも興味があるものは、近づいたり手に取って見ますが、弱視児童生徒の場合も同じことです。
したがって幼児期から、近づいたり大きく提示することによって、見ることに対する抵抗感を少なくしたり、見ることに興味を持ち、楽しみながら学習することが大切といえます。
弱視児童生徒の教育の基本は、この楽しみながら見て学習することにあるはずです。
自分で手に取って見る、楽な距離から全体を見ながら、必要に応じて近づき確認する、このような条件を満たすのが「拡大教科書」といえます。
特に、幼児期段階や小学生の段階では、見る抵抗ができるだけ少ない状況の中で、手にとって見て、確かなイメージや概念を獲得できるようにすることが大切です。
一般の検定教科書は、義務教育段階の手どもたちに給与されていますが、子どもたちにとっては、この検定教科書が見えにくく、使いにくいものになっています。
そのために「拡大教科書」の果たす役割は大きいものといえます。
以上、国立特殊教育総合研究所「プロジェクト研究報告書 C-43 弱視児の視覚特性を踏まえた拡大教材に関する調査研究」より、許可をいただき抜粋しました。