自動車保険の基礎知識

12月(年末年始)に交通事故が多い理由と対策

12月に入って年の瀬も迫ってまいりましたが、今年は事故に遭わなくてよかったと思っている方でも運転には気を付けなければいけない季節でもあります。事故が多い秋の行楽シーズンに引き続き12月と年末年始は一年のうちで交通事故が最も多い時期で、また事故の種類も多岐にわたっているので注意が必要です。特に雪や路面凍結が原因のスリップによる単独事故も増えるため、運転中の意識だけではなく冬季に備えて設備を点検することが大切です。

年末の交通事故死亡者数

平成26年の月別事故件数によると、12月は1年で最も事故件数が多い月となっています。また年末年始や1月も交通事故件数が多い時期となっていますが、これにはどのような理由が考えられるのでしょうか。まず考えられるのは日没時間が早く、道路周辺の環境が暗くなる時間も早くなるという点です。周りが暗くなると対向車や歩行者、自転車の発見が遅れてしまい、交通事故につながる危険性が高まります。早めのヘッドライト点灯を心がけ、車の存在を周りに知らせることも事故予防につながります。

  • 12月(年末年始)に事故が多い理由
  • ・日没時間が早く周辺が暗くなる
  • ・気温が下がると路面が凍結しスリップしやすい
  • ・忘年会などのイベントで飲酒した人が道路に多い
  • ・仕事やイベントなどで心理的に急いでいる人が多い
  • ・帰省のために久しぶりに運転するドライバーも多い

12月は本格的に雪が降り始める季節でもあり、気温が下がって路面が凍結するとスリップ事故も多くなります。またタイヤが凍ってしまうと摩擦力が低下してしまうためブレーキが効きにくくなるため、スタッドレスタイヤへの変更や雪道ではチェーン装着といった対応が大切です。遠出のドライブに行かれる場合は事前に天気予報や道路の凍結情報をチェックし、雪にはまった(スタック)場合に備えてスコップやけん引用のロープなども車に積んでおくことをおすすめします。

雪の中のドライブ

また12月や1月は忘年会や新年会でお酒を飲む機会も多く、またクリスマスやカウントダウンイベントなどで夜遅くまで遊びに出かけられる方も多いと思います。路上や交差点でもお酒を飲んでいる状態で歩行されている方も多く、通常の状態よりも周りに対する意識が低下しているために近くを通過するドライバーは徐行速度まで低下させるなど気をつけて運転することが大切です。

一方で残念なことではありますがこの季節は飲酒運転をする人が増える時期でもあります。飲酒運転はとても危険で交通事故を引き起こす可能性が高く、罰則が強化されて罰金や免許取消などの処分も大変重くなっています。0.15mg以上の酒気帯び運転でも違反点数13点、0.25mg以上の酒酔い運転の場合は違反点数35点と即時の免許取消に加えて最低でも3年以上の免許欠格処分とされます。また事故を起こした場合は刑事上の責任を負うだけではなく、民事上の責任として被害者に多額の賠償金を支払わなければいけません。自動車保険に加入していたとしても保険金が支払われないこともあるので、ドライバーだけではなく一緒にお酒を飲んでいる人も飲酒運転が絶対に行われないように気をつけましょう。

12月、年末年始の事故を防止するポイント

師走という言葉にも表れているように仕事だけではなくイベントや帰省の準備、年末までの手続きの締切などで毎日が忙しくなってくる季節です。またお歳暮などの配達で街中には配送業者も多く、駐車している車の影から冬休み中の子どもが飛び出してくる可能性もあります。この時期は急いでる気持ちを抑えて、いつもよりも慎重に危険予測して運転することが事故を起こさない大切なポイントです。

安全運転を心がけるドライバー

また実家への帰省や年末年始の旅行で長距離のドライブをされる方も多いと思います。特に気をつけなければいけないのが普段は運転をあまりしない方で、久しぶりの運転でいきなり長距離、長時間のドライブとなると緊張から身体も疲れてしまい集中力も低下しやすくなります。普段からあまり運転されない方は近所を少し運転してみたり、車の点検を事前に行うことも事故予防には大切なポイントです。

高速道路を利用される方はニュースなどから混雑状況を把握して、SAなどを利用して早めに休憩を入れるなど安全に運転できるように心がけましょう。万が一のトラブルに備えて加入中の自動車保険が提供しているロードサービスの内容や、年末年始の事故受付時間についても事前に確認しておくことをおすすめします。

参考リンク
・ダンロップ「スタッドレスタイヤとは
・Wikipedia「飲酒運転

自動車保険を使わないメリットと注意点

先日、会社を経営されている知り合いの方からご相談を受けました。従業員の方が業務として車を運転している際に原付バイクとの接触事故を起こしてしまい、相手方の原付を少し破損(片方のテールランプ)させてしまいました。自動車保険に加入していたので事故担当の方に調査をしてもらったところ、過失割合は10対0、原付が比較的新しいタイプのもので修理に必要な費用などを含めると7万円の損賠賠償という内容で相手方との話を進めているとのことでした。

  • 自動車保険を使うメリット
  • ・保険金を使って損害賠償ができる
  • 自動車保険を使うデメリット
  • ・翌年以降の保険料がアップする(等級ダウン、事故有等級の適用)
  • ・等級アップが遅れる

自動車保険に加入しているので対物賠償保険を使い保険金を損害保険会社に請求することはできますが、保険を使うと等級がダウンしてしまい保険料がアップする点に注意しなければいけません。しかも相手方の所有物を壊す「物損事故」では翌年から等級が3つダウンしてしまうだけではなく、事故有等級が適用されて保険料が大幅にアップしてしまいます。このような軽微な事故の場合では保険を使わず「相手方との示談」で済ませる方がメリットが多いこともあります。

  

経過年数 保険使用 保険不使用
(示談)
1年目 7等級 事故有等級(20%割引) 11等級 事故無等級(47%割引)
2年目 8等級 事故有等級(21%割引) 12等級 事故無等級(48%割引)
3年目 9等級 事故有等級(22%割引) 13等級 事故無等級(49%割引)
3年間の合計保険料額 237,000円 126,000円
4年目 10等級 事故無等級(45%割引) 14等級 事故無等級(50%割引)
5年目 11等級 事故無等級(47%割引) 15等級 事故無等級(51%割引)
6年目 12等級 事故無等級(48%割引) 16等級 事故無等級(52%割引)
4年目から6年目まで3年間の合計保険料額 160,000円 147,000円

例えば10等級の人が3等級ダウン事故を起こしてしまい保険金を請求した場合で考えてみましょう。ベースとなる保険料を10万円と仮定すると、保険金を使った場合の向こう3年間の保険料は237,000円となります。反対に保険を使わず示談で済ませた場合、3年間の保険料は合計126,000円となり10万円以上の差が生まれます。また1~5等級の場合は保険料が大きくアップしてしまうので、等級が低い方は保険を使う使わないによって保険料の差がより大きくなります。

保険を使うか悩む夫婦

また等級がアップされる時期が遅れてしまうため、4年目~6年目の3年間の保険料で比較しても保険を使用しない方が1万円ほどトータルで節約することができます。以上の点から考えると10万円を超えない損賠賠償額であれば保険を使用せずに示談で解決する方が得だと言えます。反対に10万円を超えるような大きな事故や、盗難や飛び石といった1ダウン事故であれば保険を使用した方がお得であると考えられます。

  • 3等級ダウン事故
  • ・対人賠償保険、対物賠償保険
  • ・車両保険
  • ・当て逃げ
  • 1等級ダウン事故
  • ・車の盗難
  • ・飛び石
  • ・いたずら、落書き
  • ・水災、台風
  • ノーカウント事故
  • ・搭乗者傷害保険、人身傷害保険
  • ・無保険車傷害保険
  • ・弁護士費用特約
  • ・個人賠償特約
  • ・ファミリーバイク特約

ちなみに1等級ダウン事故には車両の盗難や飛び石によるフロントガラスなどの修理も含まれているので、保険を使用したとしても翌年のみ保険料が上がるだけで2年目以降は通常の保険料となります。また人身傷害保険や無保険車障害保険のようにこちらの過失具合が問われない事故に関しては等級が下がらないノーカウント事故となります。

自動車保険を使わない場合の注意点

自動車保険を使用しない場合は相手方と示談交渉によって損害賠償額の算出や最終的な和解案について取り決める必要があります。ところが過失割合が100-0のようなどちらかに過失がない事故の場合、過失が無い方が加入している損害保険会社は示談交渉を代わりに行ってくれません。これは過失がない事故に関しては交渉が行えないことになっているためです。そのためこちらが無過失であった場合、相手方や相手方の損害保険会社と直接交渉を行う必要があります。

このような場合に自ら示談交渉に臨むのではなく交通事故専門の弁護士に交渉を委任できる弁護士費用特約というものがあります。相手方が自動車保険に加入していない場合、特に損害賠償金が大きくなるようなケースでは賠償金の支払いを拒否されることもあります。示談交渉はとても複雑で大きな手間も必要とするため、専門的な知識を持った弁護士に一任できると便利です。ちなみに弁護士費用特約を使用しても等級がダウンすることはないので、万が一の事故にあって泣き寝入りしたくないという方はこの特約をセットされることをおすすめします。

また相手方の損害が10万円、こちらの損害が20万円というような事故の場合では、双方の損害を相殺して相手方から10万円を支払ってもらう「相殺払い」という方法もあります。相殺払いでは相手方の保険会社へと請求することも可能ですが、相手が保険を使用したくないと言われたケースでは支払方法と期限を必ず書面で確認するようにしましょう。

参考リンク
・弁護士による自動車事故SOS「示談交渉で被害者がやってはいけない7つのこと

車両の盗難状況と保険による対策

先日、管理人の友人が所有する車が盗難されるという事件がありました。いつもは敷地内の駐車スペース(ゲートなどはなし)に駐車しており、もちろんキーロックはしていましたが朝に見てみると車が無くなっていたようです。警察にも被害届を出しましたが、プリウスは人気が高いため盗難されたのでは?という話になったようです。

車種 盗難件数 盗難率 保険請求件数
1位:プリウス 986件 0.5% 62件
2位:ハイエース 878件 1.1% 32件
3位:ランドクルーザー 478件 2.2% 28件
4位:エルフ 289件 0.4% 5件
5位:キャリィ 269件 0.1%

2017年の車名別盗難件数によると、プリウスが986件と最も盗難の被害に遭っている車種となっています。しかしながら登録台数1000台あたりの盗難率でみてみると0.5%と、3位のランドクルーザーに比べて4分の1以下の数値となっています。プリウスは人気車種のため販売台数も多く、それに伴って盗難件数も多くなっているのが原因のようです。

盗難防止車両

日本全体の車両盗難件数は2008年の27,668件より毎年徐々に減少しており、2017年には10,213件にまで減少しました。これにはイモビライザーなどの盗難防止装置の普及をはじめ、駐車場における防犯カメラや人感センサー付きライトの設置が進んだことも車両盗難件数が減少した理由として考えられます。またココセコムのような警備会社による盗難防止サービスもあり、GPSを活用して盗まれた車の位置を探索してくれるので愛車を盗まれたくないという方におすすめです。

盗難被害の場所は駐車場が最も多く、ゲートが設置されている駐車スペースやガレージに駐車されている車はたとえキーロックが解除されてエンジンがかかったとしても盗難されにくいためだと考えらます。最近では駐車スペースをオープンにしている外構も増えてきましたが、車の盗難防止という観点で考えるとゲートやガレージを設けた方が良いでしょう。

車の盗難をカバーする車両保険と注意点

もし大切な車を盗難されたとしても、自動車保険の車両保険に加入していれば車両保険金額で設定した保険金が下ります。ただし、車両保険の中でも盗難に対する補償がある「一般形」や「限定A」で契約していることが必要です。

  • ・契約者(記名被保険者)が重大な過失がある
  • ・他人と共謀して故意に車を盗難させること

また盗難補償が適用されるためには、車が盗まれた状態がポイントとなります。例えばカギを付けっぱなしで自宅の駐車スペースに駐車していた、スペアキーをダッシュボードに入れて保管していた、などの状態では契約者に過失があると判断されて保険金は下りません。他にも保険金を目当てに友人にわざと盗ませるなど、上の条件のような場合には保険金が支払われることはありません。

盗難時の状態を調べるために損害保険会社による調査が行われることとなっており、1~2ヶ月にわたる専門調査員による調査ののちに問題が無ければ保険金が支払われます。この際に契約者に過失が無いことを証明するためにもキーロックは普段から忘れずに行い、イモビライザーといった盗難防止装置やドライブレコーダーを取り付けておかれるこをおすすめします。また保険金支払いまでの期間が長いため、代車の費用を負担してくれる代車費用負担特約なども付加させておくと安心です。

プリウスの保険料
車両保険の種類 一般型 エコノミー(車対車+A) ミニマム(車対車) 車両保険なし
保険料 66,090円 48,050円 46,030円 32,170円
盗難補償 × ×
※車両保険金額230万円、免責0-10万円、型式ZVW50で試算

プリウスの型式ZVW50で一般的な自動車保険の設定の下で保険料の試算をしてみました。車両保険金額が230万円と比較的高い車種であるため、車両保険をつけない場合とすべてをカバーする一般形では3万円以上の保険料の違いが見られました。ただ、盗難補償もカバーしているエコノミーと車同士の事故だけを補償するミニマムでは保険料は2,000円程度の差しか変わらず、盗難と落書き、いたずらも補償されるのでエコノミーで契約されることをおすすめします。また代車費用特約(1日あたり5,000円)を付加させると保険料が2,000円程度アップしますが、借りられる車が無い場合はオプションで付加させることも検討しておきましょう。

盗難で車両保険を使った場合、次回の更新時で1等級ダウンし1年間は事故有等級が適用されるため保険料がアップするので注意が必要です。また保険金の支払い日の翌日から60日以内に盗まれた車が発見された場合、見つかった車に引き続き乗ることもできます。その際には支払われた保険金を保険会社に返還しますが、車の一部が壊されていたり、盗まれていたとしても車両保険を使って改めて保険金をもらうことができます。

基本的に調査が終了して保険金を請求する際に、盗まれた車の名義は契約している損害保険会社のものとなります。友人は家族で旅行に出かけるという日の朝に盗難の被害に遭い、旅行はキャンセルせざるを得ませんでした。このような状況に陥らないためにも盗難防止装置の整備や駐車スペースの防犯について定期的にチェックされることをおすすめします。

参考リンク
・STOP THE 自動車盗難「自動車盗難の現状

保険金が支払われないケースと注意点

任意保険に加入していても支払い条件を満たすことができなければ、保険会社に保険金を請求しても支払われないこともあるので注意する必要があります。例えば飲酒運転や煽り運転によって事故を引き起こしたのであれば運転者に重大な過失があると判断され、保険会社が定める「免責事項」に該当するため保険金が支払われることはありません。

頭を抱える男性

このような免責事項は契約時に確認することとなっていますが、免責事項が記載されている約款は文章も長く記載されている内容も難しいため、細かいところま確認をせずに契約をされている方も多いと思います。主な損害保険会社では以下のようなケースにおいて保険金を支払わないこととしています。

  • 保険金が支払われないケース
  • ・契約者、被保険者の故意による事故
  • ・記名被保険者の父母、配偶者、子に対する対人、対物補償
  • ・被保険者の重大な過失(酒気帯びまたは飲酒運転、薬物接種による正常に運転できない場合なども)による事故で本人や契約車両に生じた損害
  • ・無免許で運転した場合で本人や契約車両に生じた損害
  • ・海外での交通事故
  • ・運転者限定、年齢制限、使用目的などの補償範囲を外れたケース
  • ・地震、噴火、津波などの大規模な自然災害によって生じた損害
  • ・戦争、外国からの武力行使、暴動、テロ、核燃料物質などによって生じた損害

契約者や被保険者の故意による交通事故は自動車保険のあらゆる補償から外れます。例えばわざと電柱にぶつけて車を壊し、車両保険で修理費用を支払ってもらおうとしても保険会社の審査によって支払いを拒否されます。これと同様の理由で親族に対する対人、対物賠償保険も補償の対象外となっています。例えば駐車や発車の際に自分の子どもを車でぶつけてしまい亡くなるというケースもありますが、このような場合でも保険金が支払われることはありません。

また無免許で運転した場合ももちろん保険金が支払われることはありません。契約時には記名被保険者が運転免許証を持っていることを告知する必要がありますが、契約途中で免許停止や免許取り消しになったり、補償範囲に含めている家族や配偶者が無免許で運転しても保険金は支払われません。

しかしながら飲酒運転や煽り運転、無免許運転などの重大な過失がある運転の場合でも、被害者救済の観点から他人や他人の所有物を補償する「対人、対物賠償保険」は支払い対象となっています。運転していた本人が人身傷害保険に加入していたり、契約車両に車両保険をかけていても重大な過失の運転の場合は補償の対象外となります。

支払い対象 本人、契約車両 配偶者、子ども 他人、他人の所有物
故意による事故 × × ×
重大な過失 × △ ※1
海外における事故 × × ×
補償範囲外の事故 × × ×
台風、洪水、高潮 × × ×
地震、津波、噴火 × × ×
※1 対人、対物賠償保険を除く

また補償範囲から外れた人が契約対象の車両を運転して事故を起こしても補償対象外となります。運転者限定(家族限定、配偶者限定など)や年齢条件(26歳以上など)をつけることによって保険料を抑えることができますが、任意保険の補償から外れる人が生じるので注意が必要です。特にダイレクト型自動車保険の場合は自分自身で補償内容を設定していくので、万が一の際にも補償漏れが無いように契約前によく確認することが大切です。

使用目的や住所(主に運転する地域)も告知事項となっているため、事実と異なる内容で契約を行うことは避けましょう。地震、津波、噴火といった大規模災害の場合はも保険金は支払われることはありません。その理由としては災害の規模によっては対象となるすべての保険金を支払うと保険会社が倒産する恐れもあるので、免責事項には保険金を支払わないと記載されています。

保険金を請求できる場合も時効に注意

保険金の支払い対象となる事故の場合でも、事故から60日以内に保険会社に連絡を入れないと保険金支払いを拒否されるので注意が必要です。例えば事故の相手方から示談で解決したいという提案があり、交渉を続けているうちに60日が過ぎてしまったとします。その後、相手方から補償は行わないと言われてしまって慌てて保険会社に連絡をしても保険金支払いの対象外とされてしまうので注意が必要です。

また保険金が実際に支払われるためには保険会社からの調査を受けたり、振込先を通知するなどの請求手続きが必要となります。保険会社に事故が起こったことを連絡していても、保険金請求を行わないまま3年が過ぎると時効が成立してしまいます。保険金支払い対象となる事故にあったら、まずは保険会社に連絡を行い、担当者の指示に従って速やかに保険金請求の手続きを済ませるようにしましょう。

参考リンク
・損保ジャパン日本興亜「保険金が支払われないケースはどのようなものがありますか?

軽自動車の保険料と2020年改正

軽自動車は特定の条件を満たした自動車のことで、燃費の良さや税制上の優遇を受けられるなど経済的メリットも多いため人気を集めています。また最近ではASV(衝突安全ブレーキ)が備え付けられている車種も増え、衝突安全性能も強化されていることから安全性も高まってきています。

条件 基準 条件 基準
全長 3.3m以下 排気量 660cc以下
全幅 1.48m以下 乗車定員 4名以下
全高 2.0m以下 貨物積載量 350kg以下

下の動画は独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)が行ったダイハツムーヴキャンパスが横からの衝撃を受けた際の試験映像です(Youtube)。車両重量も軽量化されているため衝突の力で横転しているものの、押しつぶされることなく車の形を維持しています。

2017年の販売台数による人気車種ランキング10ではホンダのN-BOXが普通車を含めた全車種の中で1位となっており、トップ10の中の5車種が軽自動車となっています。軽自動車が人気を集めている理由としては、維持費や税制面でのメリットの他に運転のしやすさ(小回りが利く、狭い道路も通りやすいなど)や駐車スペースがコンパクトに収まるなどの点も挙げられています。

  • 2017年販売車種ランキング
  • 1位 … N-BOX ホンダ 218,478台
  • 2位 … プリウス トヨタ 160,912台
  • 3位 … ムーヴ ダイハツ 141,373台
  • 4位 … タント ダイハツ 141,312台
  • 5位 … ノート 日産 138,905台
  • 6位 … デイズ 日産 137,514台
  • 7位 … アクア トヨタ 131,615台
  • 8位 … C-HR トヨタ 117,299台
  • 9位 … ワゴンR スズキ 114,711台
  • 10位 … スペーシア スズキ 104,763台

それでは軽自動車の任意保険はどのようになっているのでしょうか?軽自動車でも普通自動車と同様に対人賠償保険や対物賠償保険、人身傷害保険、車両保険などの保険があり、ニーズに応じて組み合わせて契約を行うことができます。また、本人限定や年齢制限、走行距離割引などの割引制度も同様となっています。

軽自動車と普通自動車の最も大きな違いは、軽自動車には「車両料率クラス」が設定されていないためどの軽自動車であっても同じ損害保険会社であれば保険料も同じになるという点です(2018年10月現在)。例えばN-BOXとタントを三井住友海上、SBI損保でそれぞれ見積もりを取ると、異なる車種であっても同じ補償内容であれば保険料も同じになります。

車種 N-BOX タント
三井住友海上 51,470円 51,470円
SBI損保 48,360円 48,360
※対人対物無制限、人身傷害5,000万円、車両保険あり、29歳以上

ただし保険会社によっては「ASV割引」が設定されているところもあるので、軽自動車によっても装備によってトータルの保険料で差が出てきます。上の例ではSBI損保ではASV割引として3,200円程度の保険料割引が受けられるので、ASVがある車種とない車種では少し差が出てきます。

また軽自動車は近所への買い物や送り迎えなどで使用する人が多く、大きな事故を起こすリスクが低いと考えられているため普通自動車よりも少し保険料が抑えられています。ただし、軽自動車でも車両価格が高い車種も増えてきているため、車両保険を付帯させると保険料が大幅にアップしてしまうので注意が必要です。

2020年1月から軽自動車にも車両料率クラス

これまで一律だった軽自動車の車両料率クラスが、2020年1月1日より3クラスに分けられ車種によって保険料が変更されることが2018年10月23日に損害保険料率算出機構より発表されました。軽自動車の安全性や操作性などが年式によって大きく異なるのに保険料が一律であることには以前から疑問に感じていましたが、保険料も最大で1万円程度の差が出るため安全性が高い車種を選ぶ流れになれば良いなと感じています。

軽自動車とワンコ

また同じタイミングで普通自動車の車両料率クラスも9段階から17段階へとより細かく分類されるようになりました。2019年10月には消費税が10%にアップされることも決まりましたし、2020年の保険料改定に向けてディーラーも損害保険会社もさまざまなキャンペーンを行うと予想されています。車を買い替えたり新車を購入される予定がある方は、これから2019年の夏ごろに向けて情報収集や検討を進められることをおすすめします。

参考リンク
・日本経済新聞「損保各社、軽自動車保険料3段階に
損害保険料率算出機構

チャイルドシートの装着と自動車保険による補償

年内に家族が増える予定があり軽自動車(ダイハツのタント)を購入し自動車保険に加入しました。また病院から自宅までの移動に備えてチャイルドシートを購入しました。一定の条件を除いてチャイルドシートの装着は法律でも義務付けられており、もし事故に遭遇してしまうと赤ちゃんだけではなく同乗者もとても危険です。チャイルドシートの未装着による危険性については、産業技術総合研究所が制作した下の動画をごらんください(Youtube)。

動画では後部座席にいる子どもが急ブレーキによってフロントガラスを突き破り車外にまで飛び出しています。たとえ子どもが通常のシートベルトを装着していたとしてもサイズが合わないので、事故に遭った場合にはシートベルトから身体が外れてしまい車の中でぶつかったり、車外に放り出されてしまいとても危険です。そのため6歳未満の子どもが車に乗る場合にはチャイルドシートの装着が法律で義務付けられており、違反すると罰金はありませんが1点の違反点数となります。ただし以下のような場合においてはチャイルドシートを装着していなくても違反とはなりません。

  • ・構造上、チャイルドシートを固定できない車
  • ・座席の数以上の人を乗車させるためにスペースがない場合
  • ・ケガをしているなどの理由で健康上に影響が出る場合
  • ・運転者以外の人が授乳したりおむつ交換など日常生活上の世話をしている場合
  • ・タクシー、バスなどの旅客車に乗せる場合
  • ・応急救護のために医療機関などに搬送する場合
  • ・十分にシートベルトを着けられる身長(140cm以上)がある場合

以上のような場合はチャイルドシートをつけなくても違反とはなりませんが、フロントシートに装着させたり大きさが合わないタイプを装着させることは危険です。またJAFと警察庁が行った調査によると、チャイルドシートを正しくつけられていないケース(ミスユース)が4割にも上り、適切な装着ができていないと事故で死亡したりや重症になる確率も大きく上がります。

また車からチャイルドシートの脱着した後に、再び装着するのを面倒に感じて子どもをそのまま乗車させてしまうケースも少なくありません。このような流れを受けて、チャイルドシートを簡単に装着できる「ISOFIX(アイソフィックス)」が2006年から日本でも導入され、2012年7月以降に販売される車にはISOFIXへの対応が義務付けられました。ISOFIXに対応したチャイルドシートを購入する必要がありますが、シートベルトで固定させるタイプに比べると専用金具に取り付けるだけでより簡単にまた適切な固定ができるというメリットがあります。これから車を購入する予定がある方や小さなお子さんがいる方は、車や商品がISOFIXに対応しているかどうかを購入前によく確認されることをおすすめします。

チャイルドシートに対する自動車保険の補償

損害保険会社によってはチャイルドシートを車両の一部とみなし、車両保険の対象としているところもあります(おとなの自動車保険など)。事故で壊れてしまったり盗難されてしまった場合でも補償の対象としているので、まずは契約している損保会社に連絡するようにしましょう。また「チャイルドシート重度後遺障害追加保険金」のような搭乗者傷害保険の保険金に上乗せして支払われる損害保険会社もあります(SBI損保など)。

会員優待価格でチャイルドシートやベビーアイテムを購入したりレンタルすることができる損害保険会社もあるので(三井ダイレクト損保、ソニー損保など)、小さなお子さんがいる方は自動車保険を契約される際に確認しておきましょう。

適切に装着された赤ちゃん

子どもをチャイルドシートに乗せておらず事故で死亡したりケガを負った場合、過失割合が増えてしまう可能性がある点にも気をつけなければいけません。過去の判例ではチャイルドシートを装着する必要がない例外の場合でも過失が認められたケースがあります。子どもの安全を守るためにも、万が一の事故に遭った場合に備えるためにも、しっかりとチャイルドシートを装着させることが大切です。

参考リンク
・SBI損保「チャイルドシート重度後遺障害追加保険金
・交通事故BLOG よつば総合法律事務所「子どもをチャイルドシートに乗せないまま,交通事故に遭ってしまったらどうなりますか?

秋の行楽シーズンは事故に注意

10月に入ると気温も落ち着きお出かけに適した気候となるため、秋は旅行やレジャーなどの行楽に車を運転する機会が増える季節となります。しかしながら秋は梅雨の季節と同様に交通事故の件数が多い時期なので注意しなくてはいけません。平成26年の月別事故件数のデータでも、10月や11月は全国で月間5万件近くの交通事故が起こっています。

月別事故件数のグラフ

なぜ秋になると交通事故が増えるのでしょうか?まず考えられる理由の1つとして「日没の時間が早まる」という点が挙げられます。東京の9月1日の日の入り時刻は18時9分ですが、10月1日では17時26分、11月1日では16時46分と早い時間でも周りが暗くなり始めます。日が暮れて暗くなると歩行者を発見しづらくなる上に、夕方の帰宅ラッシュで道路に他の車だけではなく歩行者や自転車も多くなることから運転者の注意が散漫してしまうことも事故増加の原因だと考えられています。

  • 秋に交通事故が増える原因
  • ・夕暮れ、日没の時間が早くなる
  • ・紅葉などへのわき見運転の増加
  • ・運転の疲労による注意力、判断力の低下
  • ・駐停車中による歩行者や隣車への接触

また秋の景色を楽しむためにレジャーやドライブに出かけると、運転しながらでもついついきれいな紅葉や秋空を眺めてしまいがちです。しかし、わき見運転は「前方不注意」を引き起こして交通事故の大きな要因となるほか、発見が遅れてブレーキをかけるのが間に合わず死亡事故につながるなど大きな事故の原因となっています。きれいな景色を眺める場合は車を安全な場所にいったん停車するなどをして、運転に支障のないように気をつけることが大切です。

秋の行楽中のドライブ

遠方へのドライブで長時間の運転になると注意力や判断力が低下して事故を起こす危険性も高まります。同乗者の中に運転できる方がいれば交代して車を運転するなど疲労を軽減したり、他に運転する方がいなければサービスエリアで休憩を行うなど積極的に身体を休めるようにしましょう。ただし補償範囲を「限定なし」に設定していたり、「他社運転危険特約」を付帯させていないと他の人が車を運転しても補償が受けられないので注意しておきましょう。

駐車場を利用する場合には小さな子どもの動きに注意する必要があります。行楽シーズンはレジャー先や商業施設、サービスエリアなどに車で出かける家族も多く、駐車場で歩行する小さな子どもも増えます。親の手から離れて急に走り出す子どもや車の影に隠れてしゃがんでいる子どももおり、バックカメラも活用し細心の注意を払って駐車や発車させる事が事故防止のために大切です。

秋の交通事故を減らすためには、まず早めにヘッドライトを点灯させるように心がけましょう。光によって歩行者や自転車を発見しやすくなるだけではなく、向こうからもこちらの存在に気付いてもらいやすくなります。見通しが悪い交差点ではスピードを落として、パッシングやクラクションを鳴らすことで車の存在を周りに知らせることも有効な手段です。

レジャー先での任意保険による補償

もしドライブ中やレジャー先で以下のような事故やトラブルに遭遇した場合、自動車保険ではどのような補償を受けることができるのでしょうか。駐車場では車同士の出会いがしらの事故や駐車時に隣の車の接触してしまう事故もよく起こります。このような事故では相手方の車に対する対物賠償保険や自分の車の修理には車両保険が使えます。また事故によってケガ人が出た場合は対人賠償保険、人身傷害保険によって入院や手術代などが補償されます。またロードサービスによっては代車やタクシー代などの移動にかかる費用を負担してくれるものもあります。

事故 対応保険、特約
駐車場における車同士の接触事故 対人賠償保険、対物賠償保険、人身傷害保険、車両保険、ロードサービス
レジャー先でのケガ 個人賠償責任特約、ファミリー傷害特約
ガス欠、キー閉じ込め、バッテリー上がり、脱輪など ロードサービス

レジャー施設で家族がケガを負った場合はファミリー傷害特約をつけておくと治療費などが補償されます。また他人にケガを負わせてしまった場合でも、個人賠償責任特約を付帯させておけば補償を受けることができます。例えばサイクリング中に子どもにぶつかり骨折をさせてしまったような場合でも、相手方に対する治療費や慰謝料などもこの特約ですべてカバーすることができます。

そして出発前に必ず確認しておきたいのが「ロードサービス」の補償内容です。ロードサービスはキー閉じ込めやバッテリー上がり、ガス欠といった車のトラブルを解決するために専門スタッフが近くのサービス拠点から現場までかけつけてくれるものです。任意保険に付帯されているほとんどのロードサービスでは一定の範囲までであれば無料でサービスを受けることができますが、ガソリン補給は年間1回10リットルまでのように使用制限を設けているところもあります。契約更新から今までの使用回数やその他のサービス内容についてお出かけ前に一度確認されることをおすすめします。

参考リンク
・DRIVE & LOVE「秋の日はつるべ落とし 夕暮れ時の運転にご注意

飲酒運転や煽り運転での補償適用について

最近ニュースで騒がせているのが女性タレントによる飲酒ひき逃げ事故です。飲酒運転を行った上に信号無視で歩行者と衝突、救護活動を行ったり警察に連絡することなくその場から立ち去り、その後自ら出頭するという形で逮捕されました。事故の一部始終がドライブレコーダーでも記録されており、事故対応の悪質性からも話題になっています。

飲酒運転する人

また2017年6月には東名高速では煽り運転を受けたドライバーが追越車線上で停車させられ、後ろからきた大型トラックに追突されたことで夫婦が亡くなるという事件もありました。このような飲酒運転や煽り運転といった悪質な運転によって引き起こされた事故でも、運転していた人は自動車保険によって補償してもらえるのでしょうか?

補償される保険 補償されない保険
自賠責保険
対人賠償保険
対物賠償保険
人身傷害保険
搭乗者傷害保険
自損事故保険
車両保険

飲酒運転や煽り運転によって引き起こされた事故では、基本的に自動車保険の補償を受けることができません。保険会社の約款でも免責事項として定められており、運転者による故意や重大な過失(飲酒運転や煽り運転、無免許など)がある場合は補償の適用外となります。

ただし「被害者救済」という観点から一部の保険は適用されて、加害者であるドライバーではなく被害者に対して保険金が支払われることになります。保険が適用されるのは「自賠責保険」「対人賠償保険」「対物賠償保険」で、事故の相手方が飲酒運転だった場合でも相手方が加入している保険会社から保険金を受け取ることが可能です。

飲酒運転や煽り運転で事故を起こし自分自身がケガを負った場合、「搭乗者傷害保険」や「人身傷害保険」は適用されず手術や入院にかかる費用は実費で負担しなければいけません。保険対象の車に別の人が乗っている場合では保険適用されることもありますが、保険会社によって対応が異なるので注意が必要です。また同様の事故で車が壊れてしまった場合でも「車両保険」を使うことができないので、高級車や新車を乗る際には特に気をつける必要があります。

罰則と悪質な運転を防ぐポイント

  • 酒酔い運転
  • ・5年以下の懲役または100万円以下の罰金
  • ・違反点数35点、免許取り消し、欠格期間3年
  • 酒気帯び運転(呼気中アルコール濃度0.25mg/ℓ以上)
  • ・3年以下の懲役または50万円以下の罰金
  • ・違反点数25点、免許取り消し、欠格期間2年
  • 酒気帯び運転(呼気中アルコール濃度0.15mg~0.25mg/ℓ未満)
  • ・3年以下の懲役または50万円以下の罰金
  • ・違反点数13点、免許停止期間90日
  • 煽り運転(高速道路)
  • ・3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金
  • ・違反点数2点
  • 煽り運転(一般道路)
  • ・5万円以下の罰金
  • ・違反点数1点

飲酒運転や煽り運転を行うこと自体は道路交通法違反となり、罰金や免許停止の処分を受けるだけではなく場合によっては懲役刑を受けることもあります。また東名高速での事故を受けて煽り運転に関しては2018年1月17日より累積点数に関わらず最長で180日間の免許停止処分ができるように罰則が強化されました。上述したように自動車保険の補償を受けられないばかりだけではなく、車の運転ができなくなることにもつながるので飲酒運転や煽り運転をしないように日ごろから心がけることが大切です。

私が日ごろから実践している予防方法は、「飲酒運転によって失うものを想像してみる」というものです。車が運転できなくなることによって週末のドライブができなくなる、家族を送迎したり買い物に行けなくなる、社会的な信用を失う、といったイメージを「お酒を飲む前」にしっかりと行っておくことがポイントです。友人の一人はお酒を飲む前に車やバイクのカギを家族に預けておくのも有効な予防策だと話していました。

また日ごろから安全運転を心がけることで煽り運転は十分に防ぐことが可能だと感じています。ストレスを感じている心理状態では運転が荒くなってしまう傾向にあるので、サービスエリアやカフェで一休みするなどしてから運転されることをおすすめします。

参考リンク
・Allabout「飲酒運転で自動車保険は使えるの?
・政府広報オンライン「飲酒運転は絶対に「しない!」「させない!」みんなで守ろう 3つの約束

自動車保険見積もり時に役立つ用語集

9月末で自動車保険の更新をされる方やダイレクト型に切り替えて初めて自ら補償内容を選択される方も多いと思います。そこで見積もり依頼をする際に理解しておきたい用語について解説します。

初心者の方でも安心

項目 用語 概要
契約、運転者 記名被保険者 契約車を主に運転される方で、契約車を自由に使用できる正当な権利を持っている方、また等級や保険料に影響
契約者 損害保険会社と契約を結ぶ方で、保険料の支払い義務を負う
所有者 車検証に記載されている契約車の所有者、車両保険金を受け取る

まず、記名被保険者、契約者、所有者との関係性ですが、記名被保険者は任意保険の契約対象となっている車を主に運転する人のことを言います。そのため記名被保険者の年齢や運転する地域、免許の種類(ゴールド免許など)によって保険料が変わる重要な要素です。契約者とは損保会社と任意保険の契約を結ぶ人のことで、未成年が自動車保険に加入する場合に親が契約者となることで契約を結ぶことができます。所有者は車検証に記載されている氏名の方で、車両保険に関わる保険金を受け取る権利を持っています。これらの設定は重要な告知事項となっているため、保険期間中に変更された場合は速やかに保険会社に連絡しましょう。

これらの設定をうまく行うことで保険料を抑えることも可能です。例えば同居している18歳の子どもと40歳の親が同じ車を共有して運転する場合、18歳の子どもを記名被保険者とすると年齢が原因で保険料が大幅にアップしてしまうため、親を記名被保険者として子どもを補償範囲に含めると保険料を抑えることができます。ただし、親が保険期間中に事故を起こして事故有等級が適用される場合はこどもを被保険者とした方が保険料が安くなるケースもあるので、一括見積もりサービスなどを利用して予め確認しておきましょう。

項目 用語 概要
使用目的、走行距離 日常、レジャー 買い物やお出かけのみで使用する(3,000~10,000km)
通勤、通学 週5日または月15日以上、通勤や通学で使用する(10,000~15,000km)
業務 週5日または月15日以上、仕事で使用する

次に使用目的ですが、「日常、レジャー」「通勤、通学」「業務」の3つから選択する必要があります。日常・レジャーは買い物や週末のドライブのみで車を使用するケースで選択することができ、事故率が最も低いと考えらえるため保険料も安くなります。通学・通勤は年間を通じて週に5日以上、または月に15日以上で契約車を通勤や通学で利用するケースで選ぶことができます。最後に業務ですが、年間を通じて週5日または月15日以上で仕事として利用する場合で、最も事故率が高いと想定されるため保険料も高くなります。こちらも重要な告知事項となっているため、本当は仕事として使用しているのに偽って日常・レジャーで申告すると補償を受けられないこともあるので注意が必要です。

また保険会社によっては走行距離割引を設けているところもあり、年間走行距離を選択しないと見積もり価格が表示されないところもあります。日常生活で近所のスーパーに買い物に行ったり病院に通院する程度では5,000km未満でも問題ありません。日常の買い物に加えて週末にドライブ(運転時間2時間以内)を行う方では5,000~10,000kmが走行距離の目安となります。週末にロングドライブ(運転時間2時間以上)を行ったりお盆や年末年始に車で帰省される方は10,000~15,000kmが走行距離設定となります。

補償範囲を決めるポイント

項目 用語 概要 割引率
補償範囲 本人限定 記名被保険者のみが補償対象となる およそ7%
配偶者限定 記名被保険者とその配偶者が補償対象となる/td>

およそ6%
家族限定 記名被保険者とその配偶者、および同居の親族、別居の未婚の子 およそ1%
限定なし 運転者に関わらず補償が適用される 割引なし

運転者の補償範囲の設定は車をどのように使用するかでよく考える必要があります。例えば別居の未婚の子がたまに帰省して運転するのであれば家族限定で問題ありませんし、帰省するのが数年に一度というのであればコンビニなどで手軽に加入できる一日自動車保険の方が保険料が安く済みます。ただ、家族限定は今後については廃止を検討している損保会社も多く(限定なしとほとんど保険料の差異が無いため)、現在の保険で家族限定とされている方は限定なしを選択されることをおすすめします。

本人限定と配偶者限定は6~7%の割引が受けられるため、車を運転するケースをよく考えた上で積極的に活用したいところです。夫、妻がそれぞれ自分用の車を所有しており、普段はそれぞれの車を運転している場合でも、事故や車検などでどちらか一方の車が運転できなくなることもよくあるケースです。本人限定と配偶者限定では保険料に大きな差はありませんので、夫婦そろって免許証を保有されているのであれば配偶者限定を選択されることをおすすめします。

参考リンク
・三井ダイレクト損保「用語集

保険会社を乗り換える際の注意点

9月は自動車保険の更新を迎える方も多く、現在加入している任意保険から他の損保会社への乗り換えを検討されている方もたくさんいらっしゃると思います。また何らかの理由で途中解約を行って別の自動車保険への加入を検討されている方もいらっしゃるので、他社へ乗り換える際の注意点や確認事項、手続き方法などについてまとめてみたいと思います。

まず満期更新の際に他社へ乗り換える場合は、補償の「空白期間」と「等級の引継ぎ」について気を付ける必要があります。例えば10月1日が満期日に設定されている場合、ほとんどの保険会社では満期日の16時00分に補償が終了することになります。一方で補償開始日は午前0時からとなっているため、もし10月2日から新しい保険会社の補償開始日と設定されていれば10月1日の16時00分から23時59分までは補償から外れる「空白期間」となってしまいます。このような空白期間を作らないために前の自動車保険の満期日と、新しい自動車保険の補償開始日を同じ日に設定しておくことが大切です。

また他社への等級引継ぎは「前の保険の解約日、または満期日より7日以内に新しい保険に加入すること」が条件となっているため、等級がリセットされないためにはできるだけ早く新しい自動車保険への加入手続きをしておきましょう。一部の自動車共済では等級引継ぎに対応していないところ(自治労自動車共済など)もあるので、事前によく確認しておくことが大切です。

項目 更新 中途解約
解約返戻金 なし あり
事故なしの場合 1等級アップ 等級変わらず
事故ありの場合 等級変わらず 1等級または3等級ダウン

補償期間中に中途解約をして他社に乗り換える場合、保険料を年間で一括払いしているのであれば「解約返戻金」を受け取れる可能性があります。保険会社ごとに「短期率(返還率)」が設定されており、残りの保険期間に応じて保険料が契約者へと返還されます。例えば補償開始から7ヶ月後に中途解約をした場合、年間保険料の25%が解約返戻金として返還されます。

補償開始から 短期率(返還率) 補償開始から 短期率(返還率)
7日 90% 6ヶ月 30%
15日 85% 7ヶ月 25%
1ヶ月 75% 8ヶ月 20%
2ヶ月 65% 9ヶ月 15%
3ヶ月 55% 10ヶ月 10%
4ヶ月 45% 11ヶ月 5%
5ヶ月 35% 12ヶ月 0%

また中途解約の場合には等級の取り扱い方も異なるので注意が必要です。保険期間中に事故を起こさず次の更新で等級がアップする予定だった場合、中途解約で新しい保険会社に乗り換えても等級は上がらず次回の更新まで待たなければいけません。反対に保険期間中に事故を起こして等級がダウンする予定だった場合は、中途解約で新しい保険会社で契約を行うとすぐにダウン等級(保険金の種類に応じて1等級または3等級)が適用されます。また事故を起こしたことを隠して他社に乗り換えると告知義務違反となり、補償が受けられなくなったり契約を解除されることもあるので注意しておきましょう。

他社乗り換えのプロセスと手続き方法

自動車保険を他の損害保険会社に乗り換える際は、まず現在の補償内容に過不足がないか、どのような割引が適用されているか確認しておきましょう。損保会社によっては「長期契約割引」が適用されているものもあるので、他社に乗り換えると継続割引が途切れてしまいます。

また代理店からダイレクト型に乗り換えると「ネット割引1万円」といった保険料の割引も受けられますが、補償内容を自分で確認して申し込む必要がありますし、ロードサービスもこれまでのものと大きく変わってしまうので注意が必要です。そのため満期の1ヶ月ほど前から新しい自動車保険の候補をいくつか決めておき、よく比較検討することが大切です。

  • 1.補償内容、保険料、割引などの比較検討(満期の1ヶ月ほど前から)
  • 2.新しく加入する保険会社に加入を申込む
  • 3.現在加入している保険会社に更新しないことを伝える
  • 4.満期日を持って補償が新しい保険会社に切り替わる

乗り換え先の保険会社が決まれば契約の申込みをまず行い、保険契約ができるかどうか(引受可能)の回答を待つことになります。問題が無ければ電話やネットから手続きを行い、現在加入している自動車保険の満期日を補償開始日として契約を行いましょう。自動更新特約を付帯させていると自動的に保険契約が更新されてしまうので、現在加入している損保会社に次回の満期日に更新しない旨を伝えるようにしておきましょう。

その後、新しい自動車保険の保険料の支払いなどの手続きを行います。1週間ほどで登録した自宅まで加入手続き完了のハガキや封筒が届きますので、等級の引継ぎなども踏まえて契約内容を確認することができます。また新規加入で応募できるキャンペーンも数多くあるので、該当される方は締切日までに手続きを済ませることをおすすめします。

参考リンク
・ソニー損保「短期料率(短期率)