自動車保険の基礎知識

雪の天候で自動車やバイクを運転する際の注意点と対策

3連休の最終日となる2月11日は日本海側や北海道をはじめ、東北地方の太平洋側や西日本の山間部でも雪が積もり、連休明けの12日は積雪や路面の凍結に注意が必要です。道路に雪が積もるとどのような危険があるのか、まずは下の動画をご覧いただけたらと思います(Youtube)。

動画では雪国(主に札幌)の風景を映していますが、天候が雪の際にまず気をつけなければいけないのがスリップ事故です。雪が道路上に積もったり路面が凍結すると摩擦力が低下してブレーキが利きにくくなり、運転している車がスリップすることで対向車や横断歩道中の歩行者や自転車にぶつかってしまうという事故が起こりやすくなります。車がブレーキをかけてから止まるまでの距離を「制動距離」と呼びますが、通常の路面における制動距離10mとすると、簡単な計算方法で算出すれば圧接された雪道では30m、そして凍結した道路(アイスバーン)では80mもの距離を必要とします。

チェーンの着用

この制動距離に関係しているのがタイヤの種類で、冬用タイヤとして知られている「スタッドレス」を着用することによって接道や凍結路面上でのブレーキの利きをよくして制動距離を抑えることができます。またチェーンを着用することでもブレーキの利きを向上させることができますが、着脱が面倒だというデメリットもあります。都市部で積雪が予想される場合はスタッドレスタイヤを、雪が多い地域やスキー場などへのドライブにはチェーン着用がおすすめです。特にバイクや自転車の二輪車は雪によって滑りやすく転倒する危険性も高いので、車で追い抜く際にはスピードを落とし大きな事故につながらにように注意することが大切です。

    雪で交通事故が増える理由

  • ・積雪や路面凍結(アイスバーン)によってブレーキが利きにくくなる(スリップ事故)
  • ・フロントガラスやヘルメットに残った雪、ホワイトアウトなどによる視界不良
  • ・道路のセンターラインや標識が見えづらい、歩道や側溝との境界が分かりづらい

また雪が降るとフロントガラスやヘルメットのゴーグルにも雪が残ってしまい、通常よりも視野が狭まってしまうことも事故が増える原因です。そのため車を運転する前に車上に積もった雪を落とし、ワイパーが正常に動作するか確認するようにしましょう。雪が降っているだけでも周りが暗くなり周辺環境が見えづらくなるので、早めにヘッドライトを点灯させたりブレーキをかける際は複数回に分けてブレーキを踏み後続車が車間距離を測りやすいようにするなどの工夫も事故を防ぐために大事なポイントです。激しく雪が降っている状態では周りがほとんど見えなくなる「ホワイトアウト」状態となるので、ハザードランプを点灯させながら先行する車を見失わないようにしましょう。

雪天候における視野

道路に雪が残っているとセンターラインが見えづらくるなるため、対向車に気をつけながら走行することが事故を防ぐためにも大切です。また歩道側の側溝や水路も雪で塞がれていると道路との境目が分かりづらいので、普段の生活で通り慣れている道でも慎重に運転するように気をつけましょう。特に除雪車が出動しているような雪国では道路脇に除雪された塊が高く積み上げられていることもあり、交差点に進入する際は徐行するなどいつもより安全運転を心がけることも大切です。

種類 おすすめ プラス
装置 ABS 4WD
装備 スタッドレスタイヤ、応急用タイヤ チェーン
車載携行品 発煙筒、三角停止板、輪止め、懐中電灯、モバイルバッテリー、スコップ 毛布(タオル)、牽引ロープ、ジャッキ、アイスクレーパー、レスキューハンマー、ブースターケーブル
心がけ 安全運転、事前ルートチェック、ガソリン補給、ロードサービス確認 慎重な気持ち

雪国や雪の天候で運転をする場合、車の機能や装備、車内への携行品などについて予め確認するようにしましょう。まず車の装置ですが、最近ではほとんどの車にABS(アンチロック・ブレーキ・システム)が搭載されており、凍結した路面など摩擦力が生まれにくい状態で急ブレーキをかけた際にタイヤがロックされることで引き起こされるスリップを制御する機能があります。型式が古い車ではABS装置が搭載されていないこともあるので、ロックがかからないように数回に分けて小刻みにブレーキを踏むようにしましょう。また前輪と後輪で駆動する4WDでは坂道などで空転が起こりにくく、スキー場や山中にある温泉街で運転する場合にはおすすめです。

タイヤについてはスタッドレスタイヤであれば雪道でも十分に走行することが可能です。ただし新雪が降り積もっている場所や坂道が多い場所を走る場合はよりブレーキ機能が高まるチェーン装着をおすすめします。また万が一の事故やパンクに備えて応急用タイヤや修理キットを車内に備えておきましょう。他にも車の位置を知らせるための発煙筒や三角停止版、懐中電灯などは夜間の事故時にも役立ちます。最近ではスマホのGPSを利用して加入している保険会社へ現在位置を通知することができますが、肝心な時にバッテリーが無くなっていないように携帯電話用の充電ケーブルやモバイルバッテリーも携行されることをおすすめします。

もし雪にはまって立往生してしまった場合(スタック)、他の車で引っ張ってもらうための牽引ロープや簡易ジャッキなどもあるとレッカー車を呼ばなくても助かる場合があります。周りに助けてくれるような車がいない場合に備えて防寒用の毛布やガラスを割って外へ脱出するためのレスキューハンマーなども命を守ってくれるものとなります。また前を走っている車が動かなくなり長時間にわたって立往生しなければならない状態に陥る可能性もあります。このような場合、エアコンを動かすためにエンジンをかけたままにする方も多いと思いますが、車の周りを雪で囲まれてしまうとマフラーから排出された排気ガスが車内へ送り出されて一酸化炭素が充満することで死亡事故につながることもあります。このような事故を防ぐためにもスコップを利用してマフラー周りの排気をよくしたり、定期的に車内の換気を行うことも大切です。

そして雪道を走る上で何より大切なのはいつも以上に安全運転を心がけることです。スピードを出しすぎないことはもちろん、むやみな車間変更を避けたり、十分な車間距離を空けて停車するように心がけましょう。また事前にドライブルートを確認したりガソリンを満タンにしておくなど、慎重な気持ちを持って運転に臨まれることをおすすめします。

雪に対する自動車保険の補償

雪道でスリップして起こした事故も通常の事故と同様に補償が適用され、対人・対物賠償保険や人身傷害保険、車両保険などによって補償されます。ただし、車両保険は事故内容によっては補償の適用外となることもあるので注意が必要です。例えば車対車のみを補償対象としている限定Aタイプの車両保険で契約している場合、スリップ事故による車対車の事故では補償対象となりますが、落雪や雪崩による損害が生じても補償の対象外となります。

項目 補償適用 補償適用外
雪による車への損害 一般型、エコノミー型 限定A、車両保険なし
スリップ事故で車との衝突 対物賠償保険、車両保険(すべてのタイプ) 車両保険なし

また過失割合の計算においても、雪や路面凍結による要因は関係ないものとして算出されます。例えば雪道上を運転している際にスリップを起こし対向車線にはみ出し衝突事故を起こしたとしても、雪や路面の状態は考慮されず通常の路面と同様に過失100:0で算出されることになります。たとえ雪が原因で事故を起こしたとしても、事故を起こした責任は過失割合に応じて取る必要があるのでいつも以上に安全運転を心がけることが大切です。雪が原因で引き起こされた事故はどちらに責任が重いかについて話し合いを行う過程で双方が納得いかないことも多く、示談交渉や裁判に発展することもあるので万が一に備えて弁護士費用を負担してくれる特約を付帯させておけば安心です。

単独事故の場合でも落輪引き上げやスタックからのレッカー移動などのサービスを無料で利用できる「ロードサービス」が役に立ちます。特に提携している警備会社の緊急スタッフが事故現場までかけつけてくれるサービスは、事故現場の撮影や警察への連絡なども代行してくれるのでいざという際に心強い存在です。事故受付も24時間365日に対応しており、平日の夜間でも事故対応を行ってくれる保険会社もおすすめです。

参考リンク
・三重河川国道事務所「スタッドレスタイヤの機能
・マイカー賃貸カルモ「4WDのメリットは雪道での発進しやすさに尽きる!
・ソニー損保「大雪、雪崩による損害

海外旅行、出張で車を運転する場合と注意点

海外を旅行するのが好きだけどツアーでは物足りないという方や仕事である国の中のいろいろな場所を訪問する計画があるという方にとって、現地でレンタカーを借りて自ら運転して自由に移動するという選択肢もあります。ツアーにはない場所を訪れたり自由に計画を立ててより充実した旅行や出張にすることができますが、海外で車を運転する場合はいくつかの点に注意しなければいけません。

まず海外で車を運転するためには免許証が必要となりますが、日本の運転免許証を取得している方は道路交通条約(ジュネーブ条約)に加盟している国であれば国際運転免許証を利用して車を運転することができます。国際運転免許証の申請は各都道府県の警察署の運転免許課、免許試験場、免許センターで行うことができますが、都道府県によって申請ができる場所が異なるためウェブサイトなどで事前に確認されることをおすすめします。また免許試験場や免許センターでは即日発行してもらえますが、警察署で申請する場合はおよそ2週間の発行期間が必要となるため余裕をもって申請しておきましょう。

  • ・国際運転免許証の申請を行う
  • ・渡航先の交通ルールについて調べておく
  • ・レンタカー会社とロードサービスを検討
  • ・海外での運転でも補償される自動車保険を契約しておく

また渡航を予定している国の交通ルールについても予め調べておきましょう。日本のように左側通行の国はイギリス、オーストラリア、インド、東南アジア、アフリカ南東地域の国々で、それ以外の多くが右側通行となっています。またアメリカや中国、韓国などの国では赤信号でも交差点を右折することができますが、オランダのように自転車が多い国では自転車用の信号機があるので状況を判断してから右折することになります。レンタカーを借りる場合も左ハンドルやマニュアル車だったり、ライトの付け方やワイパーの動かし方など分からない点も多いので事前によく確認されることをおすすめします。

海外旅行へ向かう家族

そして、海外で事故に遭遇したとしても日本で加入している自動車保険を使うことができない点に注意する必要があります。そのため海外で自動車を運転するのであれば、下の3つの中から補償を受けられるようにしておくことが大切です。まず海外旅行保険のオプションで付けられる「自動車運転者損害賠償責任特約」を付帯させることによって、海外旅行や出張中の運転でも補償が受けられます。ただし車両保険が付いていないことが多く、レンタカー会社を指定している海外旅行保険も多いのでこちらも事前によく確認しておきましょう。

海外における自動車保険の種類 概要
海外旅行保険 自動車運転者損害賠償責任特約を付けることによって補償
レンタカー保険 自動加入の強制保険と補償を手厚くする任意保険
海外赴任者総合保障制度 米国自動車保険加入紹介サービスなど

レンタカー保険とは現地でレンタカーを借りる際に契約をする自動車保険です。日本国内でレンタカーを借りる際は利用料金の中に保険料が含まれており自動的に補償が付いてきますが、海外で車を借りる際も自動的に保険への加入が必要になります。ただし海外のレンタカー保険では自分自身や搭乗者へのケガ、車両保険などは強制保険には含まれておらず、これらの補償を付けるためには海外でも任意保険に加入する必要があります。

また万が一事故に遭遇した場合に備えて日本語で対応可能なレンタカー会社を選択されることをおすすめします。日本レンタカーやオリックスなどは現地でも日本語で対応できるスタッフがいることも多く、またJAFの会員であればハーツやエイビスといった有名なレンタカー会社の会員優待を受けることもできます。海外旅行保険への加入や現地での保険料、サービス料金の支払いは海外でも利用できるクレジットカードが便利なので、出発前に1枚は持っておくように準備しておきましょう。

海外転勤や留学で車を運転する場合

海外転勤や留学で長期間海外に住むことになった場合、渡航先において任意の自動車保険に加入する方法もあります。またJALファミリークラブの会員であれば日常生活の個人賠償保険に加えて、米国の自動車保険を紹介してくれるサービスもあります。アメリカでは通勤や通学に車を使うことが多く、滞在先の住居から学校や学校までの距離だけではなく近くのスーパーマーケットや病院、駅までの距離も事前に確認しておきましょう。

この制度では自動車事故による補償を最大2億円までオプションで手厚くすることができ、借家の火災保険や弁護士費用の補償もあるので安心です。ただし、海外の法人へ所属する場合は保険の対象外となるので注意しましょう。

留学を楽しむ女性

また日本で加入している任意保険があれば、「中断証明書」を発行してもらうことによって等級がリセットされることを防ぐことができます。ほとんどの損害保険会社では中断証明書を利用することで最大10年間等級を維持することができ、再び日本国内で車を使用することになった場合は保険会社に連絡すれば以前の等級、または1つ上がった等級で任意保険の契約を行うことができます。海外赴任や留学の場合は廃車や譲渡の証明といった手続きは必要ありませんが、保険の満期日より6ヶ月以内に出国していることが取得条件となっています。

参考リンク
・地球の歩き方「特派員ブログ
・Cars Cafe「海外レンタカー保険
・JALファミリークラブ「海外赴任者総合保障制度

通販(ダイレクト型)と代理店型の違い

任意保険の自動車保険には「通販(ダイレクト)型」と「代理店型」の2種類に大きく分けることができます。代理店型とは大手損害保険会社の代理店となっている車のディーラーや修理工場、さまざな保険を取り扱っている乗合代理店などを通して自動車保険の契約を行う方法で、基本的には担当者と面談をしながら保険金額や車両保険の有無といった補償内容を決めていきます。また保険会社への手続きなどはすべて担当者が行ってくれるので、加入する側は書類を記入して保険料の支払いを済ませれば保険期間から補償がスタートすることとなります。

一方で通販(ダイレクト)型とは損害保険会社のウェブサイトや一括見積もりサービスを通じて契約者が自ら保険契約の申込みを行う方法で、保険金額や車両保険の設定、特約の付加などについても自分自身で補償内容を決定します。申込みや保険料の支払い手続きも自分自身で行う必要があり、更新を行わないと自動的に補償は終了してしまいます。

項目 通販(ダイレクト)型 代理店型
加入方法 インターネットから直接申込み 担当代理店を経由して申込み
補償設定 ユーザーが自ら決定 担当者と相談して決定
割引 ネット割引など 一般的な割引制度
ロードサービス 保険会社による 保険会社による
事故現場かけつけ 警備スタッフによるかけつけサービスがあるところも 日時、場所によっては担当者がかけつけてくれることも
保険料 安い 高い
支払方法 クレジットカード、銀行振込など クレジットカードの取扱いがない店舗も
申込日時 365日24時間可能 代理店の営業時間のみ

代理店型と通販(ダイレクト)型との最も大きな違いは保険料です。代理店型は支店や営業担当、手数料などの面でコストがかかるため保険料が高めになっているのに対し、通販(ダイレクト)型では中間コストがかからないためリーズナブルな保険料設定を可能にしています。またダイレクト型ではよりきめ細やかな補償設定を行うことができる会社も多いため、必要のない保険や特約を外したり補償範囲を限定することによって保険料を削減しやすくなっているのも大きな特徴となっています。

中間コストの違い

ダイレクト型では他社からの乗り換えによる新規契約では1万円~2万円ほどの割引が受けられたり、他にも走行距離割引やゴールド免許割引といったさまざまな割引制度が充実しているだけではなく、事故率が低い世代や11等級以上の方にはより安い保険料設定となっています。また補償内容や特約の有無によってどれくらい保険料が変わるのか、サイト上ですぐに確認することができる点もダイレクト型のメリットの1つです。

  • 通販型がおすすめの方
  • ・保険料を安く抑えたいという方
  • ・自動車保険について詳しい方
  • ・事故率が低い30~50代、高い等級をお持ちの方
  • 代理店型がおすすめの方
  • ・自動車保険についてあまり詳しくない方
  • ・初めて車を購入して保険に加入される方
  • ・知り合いの担当者がいるという方

一方で代理店型では担当者が希望する条件などを聞いた上で補償内容を決めてくれるので、自動車保険にあまり詳しくないという方や大手損保へ加入したいという方にはおすすめです。特に自動車を購入して初めて任意保険に加入される方は、車両保険の有無や特約の不可については経験と知識がある担当者と相談しながら補償内容を決められることをおすすめします。また担当者が知り合いの場合、事故現場までかけつけてくれたりケガで入院することになっても事故処理などのサポートを受けることができる可能性があります。

自動車メーカーによる保険プランも

最近では自動車メーカーが独自の保険を提供するところも出てきました。例えば日産では2017年9月より「日産カーライフ保険プラン」を提供しており、一般的な保険内容に加えて「タイヤ交換」や「フロンガラス交換」などのサービスが無償で付いてくるのが特徴です。万が一の事故でもALSOKによる現場かけつけサービスもあり安心できる補償内容となっていますが、保険料は高めになっているため他社との比較検討を一度行われることをおすすめします。

他にもホンダ、マツダ、スバル、スズキなどが独自の車両保険プランを販売していますが、飛び石やいたずらによるキズを年間の限度額内であれば何度でも修理をすることができるというものです。このようなメーカー独自の保険プランを利用しても、通常であれば1等級ダウンとなる保険使用でもダウン扱いにならないというのが大きなメリットです。任意保険の車両保険を外したり車対車に限定することで保険料を節約することもできるので、メーカー独自の保険プランと補償内容についてよく確認した上で契約されることをおすすめします。

参考リンク
・NISSAN「日産カーライフ保険プラn

2019年における自動車保険の動向

あと10日余りで今年も終わろうとしていますが、2018年の自動車保険業界における動きをおさらいしながら2019年に改定されるポイントなどを解説します。まず2017年5月に認可された参考純率の改定の影響を受けて、2018年1月1日より各社の保険料が一律で引き下げられました。これは主に衝突安全ブレーキが搭載された車の普及によって事故率が低下したことが関係しています。

全体の事故率が下がったことで損害保険各社は保険料を2~3%引き下げましたが、2019年の保険料についてはほとんどの損保会社が据え置くことを決めました。近年はゲリラ豪雨や台風などが多発し、2018年もその影響で数多くの契約車両が被害を受けたことで車両保険を使う人が増え、保険金の支払いが増えたことも影響していると考えられます。

  • 2018年における自動車保険の動向
  • ・保険料の引き下げ(2~3%)
  • ・家族限定(子供特約)の廃止、本人配偶者限定の割引率減少
  • ・警備スタッフの現場かけつけ、ロードサービスの拡充

また2018年10月~2019年1月にかけて補償範囲の中から「家族限定(子供特約)」が廃止、「本人・配偶者限定」については割引率の引き下げが実施されました。これまで家族限定で契約されていた方は「限定なし」を選択して自動車保険を更新しなければ、「同居の親族」「別居の未婚の子」は補償から外れることになるので注意が必要です。

例えば、これまでお正月に実家に帰省した際に実家の車を運転していた別居の子ども(婚姻歴なし)がいたとします。その子供が運転中に事故を起こした場合、「家族限定」から「本人限定」「配偶者限定」の補償範囲に切り替えて契約しているのであれば、自動車保険の補償を受けられず保険金を受け取ることはできません。「限定なし」にすると保険料もアップされるため、今後は帰省中に車を使うのかどうかなど補償範囲について次回の更新までにご家族と相談しておかれることをおすすめします。

家族でドライブ

以前から事故時に現場まで専門スタッフがかけつけるサービスがありましたが、昨今、「煽り運転」が社会問題として大きく取り上げられることによって他のドライバーから身を守るニーズが高まってきました。2018年からテレビCMなどにおいて現場かけつけサービスをアピールする損保会社も増えてきました。2019年も事故現場かけつけサービスを提供する損保会社が増えると予想されており、ロードサービスや会員限定クーポンも含めて各社が無料で提供するサービスに期待したいところです。

保険会社 現場かけつけサービス
・イーデザイン損保
・ソニー損保
・セコム損保
セコム事故現場急行サービス
・おとなの自動車保険 ALSOK事故現場安心サポート
・JA共済 ALSOK夜間休日現場急行サービス
・全労済 現場急行サービス

例えばSBI損保では3年目以降の契約者を対象に「ロードサービスプレミアム」を提供しており、カギの閉じ込めだけではなくカギの作成、宿泊費用も2泊分、現場復旧作業が時間無制限など今までになかった1つ上のサービスを提供しています。またダイレクト型自動車保険を提供してる損保会社は保険料の値下げや割引制度を充実させる動きを強めており、イーデザイン損保の「無事故割」をはじめ差別化を図っています。

2019年に予想される動向と自動車保険の契約ポイント

  • 2019年
  • ・保険料は据え置き
  • ・テレマティクス保険の拡充
  • ・車両料率クラスの細分化に向けた準備

他にもテレマティクスを活かした走行距離割引や安全運転スコアによる保険料割引などを導入する損保会社が増えると予想されています。またドライブレコーダーを利用して事故受付を自動で連絡を行ったり、事故時の映像を解析して示談交渉の際に利用するなどのサービスも始まっています。2018年10月にはソフトバンクとトヨタが共同で新しいモビリティサービスを開発する会社を設立することを発表し、自動運転システムに対応した損害保険の準備もより一層進むことも期待されています。

また2020年1月より車両料率クラスがより細分化されることとなっており、普通・小型乗用車は9クラスから13クラスに、軽自動車はすべて同じクラスでしたが3クラスに分類されることになりました。これによって衝突安全ブレーキの有無による安全性や、車両の市場価格における評価がより細かく分類され保険料に適用されることになります。

2019年の前半はこれまで通りの料率クラスで保険料が計算されると考えられていますが、後半に入る頃には来年の改正も踏まえて損保会社からの案内が届くと思います。更新のタイミングによって保険料が上下することも考えられるので、現在契約している自動車がどのクラスに分類されるかをよく確認されることをおすすめします。

参考リンク
・ソフトバンク「新しいモビリティサービスの構築に向けて戦略的提携に合意し、共同出資会社を設立
・Carview「2020年以降、クルマの保険料が変わる?型式条件変更でいまよりオトクになる可能性も

12月(年末年始)に交通事故が多い理由と対策

12月に入って年の瀬も迫ってまいりましたが、今年は事故に遭わなくてよかったと思っている方でも運転には気を付けなければいけない季節でもあります。事故が多い秋の行楽シーズンに引き続き12月と年末年始は一年のうちで交通事故が最も多い時期で、また事故の種類も多岐にわたっているので注意が必要です。特に雪や路面凍結が原因のスリップによる単独事故も増えるため、運転中の意識だけではなく冬季に備えて設備を点検することが大切です。

年末の交通事故死亡者数

平成26年の月別事故件数によると、12月は1年で最も事故件数が多い月となっています。また年末年始や1月も交通事故件数が多い時期となっていますが、これにはどのような理由が考えられるのでしょうか。まず考えられるのは日没時間が早く、道路周辺の環境が暗くなる時間も早くなるという点です。周りが暗くなると対向車や歩行者、自転車の発見が遅れてしまい、交通事故につながる危険性が高まります。早めのヘッドライト点灯を心がけ、車の存在を周りに知らせることも事故予防につながります。

  • 12月(年末年始)に事故が多い理由
  • ・日没時間が早く周辺が暗くなる
  • ・気温が下がると路面が凍結しスリップしやすい
  • ・忘年会などのイベントで飲酒した人が道路に多い
  • ・仕事やイベントなどで心理的に急いでいる人が多い
  • ・帰省のために久しぶりに運転するドライバーも多い

12月は本格的に雪が降り始める季節でもあり、気温が下がって路面が凍結するとスリップ事故も多くなります。またタイヤが凍ってしまうと摩擦力が低下してしまうためブレーキが効きにくくなるため、スタッドレスタイヤへの変更や雪道ではチェーン装着といった対応が大切です。遠出のドライブに行かれる場合は事前に天気予報や道路の凍結情報をチェックし、雪にはまった(スタック)場合に備えてスコップやけん引用のロープなども車に積んでおくことをおすすめします。

雪の中のドライブ

また12月や1月は忘年会や新年会でお酒を飲む機会も多く、またクリスマスやカウントダウンイベントなどで夜遅くまで遊びに出かけられる方も多いと思います。路上や交差点でもお酒を飲んでいる状態で歩行されている方も多く、通常の状態よりも周りに対する意識が低下しているために近くを通過するドライバーは徐行速度まで低下させるなど気をつけて運転することが大切です。

一方で残念なことではありますがこの季節は飲酒運転をする人が増える時期でもあります。飲酒運転はとても危険で交通事故を引き起こす可能性が高く、罰則が強化されて罰金や免許取消などの処分も大変重くなっています。0.15mg以上の酒気帯び運転でも違反点数13点、0.25mg以上の酒酔い運転の場合は違反点数35点と即時の免許取消に加えて最低でも3年以上の免許欠格処分とされます。また事故を起こした場合は刑事上の責任を負うだけではなく、民事上の責任として被害者に多額の賠償金を支払わなければいけません。自動車保険に加入していたとしても保険金が支払われないこともあるので、ドライバーだけではなく一緒にお酒を飲んでいる人も飲酒運転が絶対に行われないように気をつけましょう。

12月、年末年始の事故を防止するポイント

師走という言葉にも表れているように仕事だけではなくイベントや帰省の準備、年末までの手続きの締切などで毎日が忙しくなってくる季節です。またお歳暮などの配達で街中には配送業者も多く、駐車している車の影から冬休み中の子どもが飛び出してくる可能性もあります。この時期は急いでる気持ちを抑えて、いつもよりも慎重に危険予測して運転することが事故を起こさない大切なポイントです。

安全運転を心がけるドライバー

また実家への帰省や年末年始の旅行で長距離のドライブをされる方も多いと思います。特に気をつけなければいけないのが普段は運転をあまりしない方で、久しぶりの運転でいきなり長距離、長時間のドライブとなると緊張から身体も疲れてしまい集中力も低下しやすくなります。普段からあまり運転されない方は近所を少し運転してみたり、車の点検を事前に行うことも事故予防には大切なポイントです。

高速道路を利用される方はニュースなどから混雑状況を把握して、SAなどを利用して早めに休憩を入れるなど安全に運転できるように心がけましょう。万が一のトラブルに備えて加入中の自動車保険が提供しているロードサービスの内容や、年末年始の事故受付時間についても事前に確認しておくことをおすすめします。

参考リンク
・ダンロップ「スタッドレスタイヤとは
・Wikipedia「飲酒運転

自動車保険を使わないメリットと注意点

先日、会社を経営されている知り合いの方からご相談を受けました。従業員の方が業務として車を運転している際に原付バイクとの接触事故を起こしてしまい、相手方の原付を少し破損(片方のテールランプ)させてしまいました。自動車保険に加入していたので事故担当の方に調査をしてもらったところ、過失割合は10対0、原付が比較的新しいタイプのもので修理に必要な費用などを含めると7万円の損賠賠償という内容で相手方との話を進めているとのことでした。

  • 自動車保険を使うメリット
  • ・保険金を使って損害賠償ができる
  • 自動車保険を使うデメリット
  • ・翌年以降の保険料がアップする(等級ダウン、事故有等級の適用)
  • ・等級アップが遅れる

自動車保険に加入しているので対物賠償保険を使い保険金を損害保険会社に請求することはできますが、保険を使うと等級がダウンしてしまい保険料がアップする点に注意しなければいけません。しかも相手方の所有物を壊す「物損事故」では翌年から等級が3つダウンしてしまうだけではなく、事故有等級が適用されて保険料が大幅にアップしてしまいます。このような軽微な事故の場合では保険を使わず「相手方との示談」で済ませる方がメリットが多いこともあります。

  

経過年数 保険使用 保険不使用
(示談)
1年目 7等級 事故有等級(20%割引) 11等級 事故無等級(47%割引)
2年目 8等級 事故有等級(21%割引) 12等級 事故無等級(48%割引)
3年目 9等級 事故有等級(22%割引) 13等級 事故無等級(49%割引)
3年間の合計保険料額 237,000円 126,000円
4年目 10等級 事故無等級(45%割引) 14等級 事故無等級(50%割引)
5年目 11等級 事故無等級(47%割引) 15等級 事故無等級(51%割引)
6年目 12等級 事故無等級(48%割引) 16等級 事故無等級(52%割引)
4年目から6年目まで3年間の合計保険料額 160,000円 147,000円

例えば10等級の人が3等級ダウン事故を起こしてしまい保険金を請求した場合で考えてみましょう。ベースとなる保険料を10万円と仮定すると、保険金を使った場合の向こう3年間の保険料は237,000円となります。反対に保険を使わず示談で済ませた場合、3年間の保険料は合計126,000円となり10万円以上の差が生まれます。また1~5等級の場合は保険料が大きくアップしてしまうので、等級が低い方は保険を使う使わないによって保険料の差がより大きくなります。

保険を使うか悩む夫婦

また等級がアップされる時期が遅れてしまうため、4年目~6年目の3年間の保険料で比較しても保険を使用しない方が1万円ほどトータルで節約することができます。以上の点から考えると10万円を超えない損賠賠償額であれば保険を使用せずに示談で解決する方が得だと言えます。反対に10万円を超えるような大きな事故や、盗難や飛び石といった1ダウン事故であれば保険を使用した方がお得であると考えられます。

  • 3等級ダウン事故
  • ・対人賠償保険、対物賠償保険
  • ・車両保険
  • ・当て逃げ
  • 1等級ダウン事故
  • ・車の盗難
  • ・飛び石
  • ・いたずら、落書き
  • ・水災、台風
  • ノーカウント事故
  • ・搭乗者傷害保険、人身傷害保険
  • ・無保険車傷害保険
  • ・弁護士費用特約
  • ・個人賠償特約
  • ・ファミリーバイク特約

ちなみに1等級ダウン事故には車両の盗難や飛び石によるフロントガラスなどの修理も含まれているので、保険を使用したとしても翌年のみ保険料が上がるだけで2年目以降は通常の保険料となります。また人身傷害保険や無保険車障害保険のようにこちらの過失具合が問われない事故に関しては等級が下がらないノーカウント事故となります。

自動車保険を使わない場合の注意点

自動車保険を使用しない場合は相手方と示談交渉によって損害賠償額の算出や最終的な和解案について取り決める必要があります。ところが過失割合が100-0のようなどちらかに過失がない事故の場合、過失が無い方が加入している損害保険会社は示談交渉を代わりに行ってくれません。これは過失がない事故に関しては交渉が行えないことになっているためです。そのためこちらが無過失であった場合、相手方や相手方の損害保険会社と直接交渉を行う必要があります。

このような場合に自ら示談交渉に臨むのではなく交通事故専門の弁護士に交渉を委任できる弁護士費用特約というものがあります。相手方が自動車保険に加入していない場合、特に損害賠償金が大きくなるようなケースでは賠償金の支払いを拒否されることもあります。示談交渉はとても複雑で大きな手間も必要とするため、専門的な知識を持った弁護士に一任できると便利です。ちなみに弁護士費用特約を使用しても等級がダウンすることはないので、万が一の事故にあって泣き寝入りしたくないという方はこの特約をセットされることをおすすめします。

また相手方の損害が10万円、こちらの損害が20万円というような事故の場合では、双方の損害を相殺して相手方から10万円を支払ってもらう「相殺払い」という方法もあります。相殺払いでは相手方の保険会社へと請求することも可能ですが、相手が保険を使用したくないと言われたケースでは支払方法と期限を必ず書面で確認するようにしましょう。

参考リンク
・弁護士による自動車事故SOS「示談交渉で被害者がやってはいけない7つのこと

車両の盗難状況と保険による対策

先日、管理人の友人が所有する車が盗難されるという事件がありました。いつもは敷地内の駐車スペース(ゲートなどはなし)に駐車しており、もちろんキーロックはしていましたが朝に見てみると車が無くなっていたようです。警察にも被害届を出しましたが、プリウスは人気が高いため盗難されたのでは?という話になったようです。

車種 盗難件数 盗難率 保険請求件数
1位:プリウス 986件 0.5% 62件
2位:ハイエース 878件 1.1% 32件
3位:ランドクルーザー 478件 2.2% 28件
4位:エルフ 289件 0.4% 5件
5位:キャリィ 269件 0.1%

2017年の車名別盗難件数によると、プリウスが986件と最も盗難の被害に遭っている車種となっています。しかしながら登録台数1000台あたりの盗難率でみてみると0.5%と、3位のランドクルーザーに比べて4分の1以下の数値となっています。プリウスは人気車種のため販売台数も多く、それに伴って盗難件数も多くなっているのが原因のようです。

盗難防止車両

日本全体の車両盗難件数は2008年の27,668件より毎年徐々に減少しており、2017年には10,213件にまで減少しました。これにはイモビライザーなどの盗難防止装置の普及をはじめ、駐車場における防犯カメラや人感センサー付きライトの設置が進んだことも車両盗難件数が減少した理由として考えられます。またココセコムのような警備会社による盗難防止サービスもあり、GPSを活用して盗まれた車の位置を探索してくれるので愛車を盗まれたくないという方におすすめです。

盗難被害の場所は駐車場が最も多く、ゲートが設置されている駐車スペースやガレージに駐車されている車はたとえキーロックが解除されてエンジンがかかったとしても盗難されにくいためだと考えらます。最近では駐車スペースをオープンにしている外構も増えてきましたが、車の盗難防止という観点で考えるとゲートやガレージを設けた方が良いでしょう。

車の盗難をカバーする車両保険と注意点

もし大切な車を盗難されたとしても、自動車保険の車両保険に加入していれば車両保険金額で設定した保険金が下ります。ただし、車両保険の中でも盗難に対する補償がある「一般形」や「限定A」で契約していることが必要です。

  • ・契約者(記名被保険者)が重大な過失がある
  • ・他人と共謀して故意に車を盗難させること

また盗難補償が適用されるためには、車が盗まれた状態がポイントとなります。例えばカギを付けっぱなしで自宅の駐車スペースに駐車していた、スペアキーをダッシュボードに入れて保管していた、などの状態では契約者に過失があると判断されて保険金は下りません。他にも保険金を目当てに友人にわざと盗ませるなど、上の条件のような場合には保険金が支払われることはありません。

盗難時の状態を調べるために損害保険会社による調査が行われることとなっており、1~2ヶ月にわたる専門調査員による調査ののちに問題が無ければ保険金が支払われます。この際に契約者に過失が無いことを証明するためにもキーロックは普段から忘れずに行い、イモビライザーといった盗難防止装置やドライブレコーダーを取り付けておかれるこをおすすめします。また保険金支払いまでの期間が長いため、代車の費用を負担してくれる代車費用負担特約なども付加させておくと安心です。

プリウスの保険料
車両保険の種類 一般型 エコノミー(車対車+A) ミニマム(車対車) 車両保険なし
保険料 66,090円 48,050円 46,030円 32,170円
盗難補償 × ×
※車両保険金額230万円、免責0-10万円、型式ZVW50で試算

プリウスの型式ZVW50で一般的な自動車保険の設定の下で保険料の試算をしてみました。車両保険金額が230万円と比較的高い車種であるため、車両保険をつけない場合とすべてをカバーする一般形では3万円以上の保険料の違いが見られました。ただ、盗難補償もカバーしているエコノミーと車同士の事故だけを補償するミニマムでは保険料は2,000円程度の差しか変わらず、盗難と落書き、いたずらも補償されるのでエコノミーで契約されることをおすすめします。また代車費用特約(1日あたり5,000円)を付加させると保険料が2,000円程度アップしますが、借りられる車が無い場合はオプションで付加させることも検討しておきましょう。

盗難で車両保険を使った場合、次回の更新時で1等級ダウンし1年間は事故有等級が適用されるため保険料がアップするので注意が必要です。また保険金の支払い日の翌日から60日以内に盗まれた車が発見された場合、見つかった車に引き続き乗ることもできます。その際には支払われた保険金を保険会社に返還しますが、車の一部が壊されていたり、盗まれていたとしても車両保険を使って改めて保険金をもらうことができます。

基本的に調査が終了して保険金を請求する際に、盗まれた車の名義は契約している損害保険会社のものとなります。友人は家族で旅行に出かけるという日の朝に盗難の被害に遭い、旅行はキャンセルせざるを得ませんでした。このような状況に陥らないためにも盗難防止装置の整備や駐車スペースの防犯について定期的にチェックされることをおすすめします。

参考リンク
・STOP THE 自動車盗難「自動車盗難の現状

保険金が支払われないケースと注意点

任意保険に加入していても支払い条件を満たすことができなければ、保険会社に保険金を請求しても支払われないこともあるので注意する必要があります。例えば飲酒運転や煽り運転によって事故を引き起こしたのであれば運転者に重大な過失があると判断され、保険会社が定める「免責事項」に該当するため保険金が支払われることはありません。

頭を抱える男性

このような免責事項は契約時に確認することとなっていますが、免責事項が記載されている約款は文章も長く記載されている内容も難しいため、細かいところま確認をせずに契約をされている方も多いと思います。主な損害保険会社では以下のようなケースにおいて保険金を支払わないこととしています。

  • 保険金が支払われないケース
  • ・契約者、被保険者の故意による事故
  • ・記名被保険者の父母、配偶者、子に対する対人、対物補償
  • ・被保険者の重大な過失(酒気帯びまたは飲酒運転、薬物接種による正常に運転できない場合なども)による事故で本人や契約車両に生じた損害
  • ・無免許で運転した場合で本人や契約車両に生じた損害
  • ・海外での交通事故
  • ・運転者限定、年齢制限、使用目的などの補償範囲を外れたケース
  • ・地震、噴火、津波などの大規模な自然災害によって生じた損害
  • ・戦争、外国からの武力行使、暴動、テロ、核燃料物質などによって生じた損害

契約者や被保険者の故意による交通事故は自動車保険のあらゆる補償から外れます。例えばわざと電柱にぶつけて車を壊し、車両保険で修理費用を支払ってもらおうとしても保険会社の審査によって支払いを拒否されます。これと同様の理由で親族に対する対人、対物賠償保険も補償の対象外となっています。例えば駐車や発車の際に自分の子どもを車でぶつけてしまい亡くなるというケースもありますが、このような場合でも保険金が支払われることはありません。

また無免許で運転した場合ももちろん保険金が支払われることはありません。契約時には記名被保険者が運転免許証を持っていることを告知する必要がありますが、契約途中で免許停止や免許取り消しになったり、補償範囲に含めている家族や配偶者が無免許で運転しても保険金は支払われません。

しかしながら飲酒運転や煽り運転、無免許運転などの重大な過失がある運転の場合でも、被害者救済の観点から他人や他人の所有物を補償する「対人、対物賠償保険」は支払い対象となっています。運転していた本人が人身傷害保険に加入していたり、契約車両に車両保険をかけていても重大な過失の運転の場合は補償の対象外となります。

支払い対象 本人、契約車両 配偶者、子ども 他人、他人の所有物
故意による事故 × × ×
重大な過失 × △ ※1
海外における事故 × × ×
補償範囲外の事故 × × ×
台風、洪水、高潮 × × ×
地震、津波、噴火 × × ×
※1 対人、対物賠償保険を除く

また補償範囲から外れた人が契約対象の車両を運転して事故を起こしても補償対象外となります。運転者限定(家族限定、配偶者限定など)や年齢条件(26歳以上など)をつけることによって保険料を抑えることができますが、任意保険の補償から外れる人が生じるので注意が必要です。特にダイレクト型自動車保険の場合は自分自身で補償内容を設定していくので、万が一の際にも補償漏れが無いように契約前によく確認することが大切です。

使用目的や住所(主に運転する地域)も告知事項となっているため、事実と異なる内容で契約を行うことは避けましょう。地震、津波、噴火といった大規模災害の場合はも保険金は支払われることはありません。その理由としては災害の規模によっては対象となるすべての保険金を支払うと保険会社が倒産する恐れもあるので、免責事項には保険金を支払わないと記載されています。

保険金を請求できる場合も時効に注意

保険金の支払い対象となる事故の場合でも、事故から60日以内に保険会社に連絡を入れないと保険金支払いを拒否されるので注意が必要です。例えば事故の相手方から示談で解決したいという提案があり、交渉を続けているうちに60日が過ぎてしまったとします。その後、相手方から補償は行わないと言われてしまって慌てて保険会社に連絡をしても保険金支払いの対象外とされてしまうので注意が必要です。

また保険金が実際に支払われるためには保険会社からの調査を受けたり、振込先を通知するなどの請求手続きが必要となります。保険会社に事故が起こったことを連絡していても、保険金請求を行わないまま3年が過ぎると時効が成立してしまいます。保険金支払い対象となる事故にあったら、まずは保険会社に連絡を行い、担当者の指示に従って速やかに保険金請求の手続きを済ませるようにしましょう。

参考リンク
・損保ジャパン日本興亜「保険金が支払われないケースはどのようなものがありますか?

軽自動車の保険料と2020年改正

軽自動車は特定の条件を満たした自動車のことで、燃費の良さや税制上の優遇を受けられるなど経済的メリットも多いため人気を集めています。また最近ではASV(衝突安全ブレーキ)が備え付けられている車種も増え、衝突安全性能も強化されていることから安全性も高まってきています。

条件 基準 条件 基準
全長 3.3m以下 排気量 660cc以下
全幅 1.48m以下 乗車定員 4名以下
全高 2.0m以下 貨物積載量 350kg以下

下の動画は独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)が行ったダイハツムーヴキャンパスが横からの衝撃を受けた際の試験映像です(Youtube)。車両重量も軽量化されているため衝突の力で横転しているものの、押しつぶされることなく車の形を維持しています。

2017年の販売台数による人気車種ランキング10ではホンダのN-BOXが普通車を含めた全車種の中で1位となっており、トップ10の中の5車種が軽自動車となっています。軽自動車が人気を集めている理由としては、維持費や税制面でのメリットの他に運転のしやすさ(小回りが利く、狭い道路も通りやすいなど)や駐車スペースがコンパクトに収まるなどの点も挙げられています。

  • 2017年販売車種ランキング
  • 1位 … N-BOX ホンダ 218,478台
  • 2位 … プリウス トヨタ 160,912台
  • 3位 … ムーヴ ダイハツ 141,373台
  • 4位 … タント ダイハツ 141,312台
  • 5位 … ノート 日産 138,905台
  • 6位 … デイズ 日産 137,514台
  • 7位 … アクア トヨタ 131,615台
  • 8位 … C-HR トヨタ 117,299台
  • 9位 … ワゴンR スズキ 114,711台
  • 10位 … スペーシア スズキ 104,763台

それでは軽自動車の任意保険はどのようになっているのでしょうか?軽自動車でも普通自動車と同様に対人賠償保険や対物賠償保険、人身傷害保険、車両保険などの保険があり、ニーズに応じて組み合わせて契約を行うことができます。また、本人限定や年齢制限、走行距離割引などの割引制度も同様となっています。

軽自動車と普通自動車の最も大きな違いは、軽自動車には「車両料率クラス」が設定されていないためどの軽自動車であっても同じ損害保険会社であれば保険料も同じになるという点です(2018年10月現在)。例えばN-BOXとタントを三井住友海上、SBI損保でそれぞれ見積もりを取ると、異なる車種であっても同じ補償内容であれば保険料も同じになります。

車種 N-BOX タント
三井住友海上 51,470円 51,470円
SBI損保 48,360円 48,360
※対人対物無制限、人身傷害5,000万円、車両保険あり、29歳以上

ただし保険会社によっては「ASV割引」が設定されているところもあるので、軽自動車によっても装備によってトータルの保険料で差が出てきます。上の例ではSBI損保ではASV割引として3,200円程度の保険料割引が受けられるので、ASVがある車種とない車種では少し差が出てきます。

また軽自動車は近所への買い物や送り迎えなどで使用する人が多く、大きな事故を起こすリスクが低いと考えられているため普通自動車よりも少し保険料が抑えられています。ただし、軽自動車でも車両価格が高い車種も増えてきているため、車両保険を付帯させると保険料が大幅にアップしてしまうので注意が必要です。

2020年1月から軽自動車にも車両料率クラス

これまで一律だった軽自動車の車両料率クラスが、2020年1月1日より3クラスに分けられ車種によって保険料が変更されることが2018年10月23日に損害保険料率算出機構より発表されました。軽自動車の安全性や操作性などが年式によって大きく異なるのに保険料が一律であることには以前から疑問に感じていましたが、保険料も最大で1万円程度の差が出るため安全性が高い車種を選ぶ流れになれば良いなと感じています。

軽自動車とワンコ

また同じタイミングで普通自動車の車両料率クラスも9段階から17段階へとより細かく分類されるようになりました。2019年10月には消費税が10%にアップされることも決まりましたし、2020年の保険料改定に向けてディーラーも損害保険会社もさまざまなキャンペーンを行うと予想されています。車を買い替えたり新車を購入される予定がある方は、これから2019年の夏ごろに向けて情報収集や検討を進められることをおすすめします。

参考リンク
・日本経済新聞「損保各社、軽自動車保険料3段階に
損害保険料率算出機構

チャイルドシートの装着と自動車保険による補償

年内に家族が増える予定があり軽自動車(ダイハツのタント)を購入し自動車保険に加入しました。また病院から自宅までの移動に備えてチャイルドシートを購入しました。一定の条件を除いてチャイルドシートの装着は法律でも義務付けられており、もし事故に遭遇してしまうと赤ちゃんだけではなく同乗者もとても危険です。チャイルドシートの未装着による危険性については、産業技術総合研究所が制作した下の動画をごらんください(Youtube)。

動画では後部座席にいる子どもが急ブレーキによってフロントガラスを突き破り車外にまで飛び出しています。たとえ子どもが通常のシートベルトを装着していたとしてもサイズが合わないので、事故に遭った場合にはシートベルトから身体が外れてしまい車の中でぶつかったり、車外に放り出されてしまいとても危険です。そのため6歳未満の子どもが車に乗る場合にはチャイルドシートの装着が法律で義務付けられており、違反すると罰金はありませんが1点の違反点数となります。ただし以下のような場合においてはチャイルドシートを装着していなくても違反とはなりません。

  • ・構造上、チャイルドシートを固定できない車
  • ・座席の数以上の人を乗車させるためにスペースがない場合
  • ・ケガをしているなどの理由で健康上に影響が出る場合
  • ・運転者以外の人が授乳したりおむつ交換など日常生活上の世話をしている場合
  • ・タクシー、バスなどの旅客車に乗せる場合
  • ・応急救護のために医療機関などに搬送する場合
  • ・十分にシートベルトを着けられる身長(140cm以上)がある場合

以上のような場合はチャイルドシートをつけなくても違反とはなりませんが、フロントシートに装着させたり大きさが合わないタイプを装着させることは危険です。またJAFと警察庁が行った調査によると、チャイルドシートを正しくつけられていないケース(ミスユース)が4割にも上り、適切な装着ができていないと事故で死亡したりや重症になる確率も大きく上がります。

また車からチャイルドシートの脱着した後に、再び装着するのを面倒に感じて子どもをそのまま乗車させてしまうケースも少なくありません。このような流れを受けて、チャイルドシートを簡単に装着できる「ISOFIX(アイソフィックス)」が2006年から日本でも導入され、2012年7月以降に販売される車にはISOFIXへの対応が義務付けられました。ISOFIXに対応したチャイルドシートを購入する必要がありますが、シートベルトで固定させるタイプに比べると専用金具に取り付けるだけでより簡単にまた適切な固定ができるというメリットがあります。これから車を購入する予定がある方や小さなお子さんがいる方は、車や商品がISOFIXに対応しているかどうかを購入前によく確認されることをおすすめします。

チャイルドシートに対する自動車保険の補償

損害保険会社によってはチャイルドシートを車両の一部とみなし、車両保険の対象としているところもあります(おとなの自動車保険など)。事故で壊れてしまったり盗難されてしまった場合でも補償の対象としているので、まずは契約している損保会社に連絡するようにしましょう。また「チャイルドシート重度後遺障害追加保険金」のような搭乗者傷害保険の保険金に上乗せして支払われる損害保険会社もあります(SBI損保など)。

会員優待価格でチャイルドシートやベビーアイテムを購入したりレンタルすることができる損害保険会社もあるので(三井ダイレクト損保、ソニー損保など)、小さなお子さんがいる方は自動車保険を契約される際に確認しておきましょう。

適切に装着された赤ちゃん

子どもをチャイルドシートに乗せておらず事故で死亡したりケガを負った場合、過失割合が増えてしまう可能性がある点にも気をつけなければいけません。過去の判例ではチャイルドシートを装着する必要がない例外の場合でも過失が認められたケースがあります。子どもの安全を守るためにも、万が一の事故に遭った場合に備えるためにも、しっかりとチャイルドシートを装着させることが大切です。

参考リンク
・SBI損保「チャイルドシート重度後遺障害追加保険金
・交通事故BLOG よつば総合法律事務所「子どもをチャイルドシートに乗せないまま,交通事故に遭ってしまったらどうなりますか?