自動車保険の基礎知識

高齢ドライバーの事故率と保険料の関係

高齢ドライバー

アクセルとブレーキの踏み間違いや進行方向を逆走したりなど、高齢者(65歳以上)が運転することで引き起こされる交通事故が大きな話題になっています。なぜこのような事故が起こってしまうのでしょうか?また自動車保険では高齢ドライバーに対してどのような対応を取っているのでしょうか?この記事では高齢者の事故率や保険料との関係について解説しています。

高齢ドライバーの事故データ

年齢別で事故率はどのようになっているのでしょうか?高齢者の事故率やその原因などについて解説しています。

高齢ドライバーの事故率

平成29年に警察庁が発表したデータ(PDF)によると、平成24~28年(2012~2016年)の免許人口10万人あたりの正面衝突等による死亡事故数は以下のようになっており、高齢ドライバー(65歳以上)の事故率は年齢が上がるほど増えていることが大きな特徴になっています。特に75歳以降では他の年代に比べても事故率が大きくアップしており、また80歳を超えると70代に比べて事故率が倍近くにはね上げることからも『高齢になればなるほど事故を引き起こしやすい』ということが言えると思います。

年代別の事故率データ

しかしながら74歳までの事故率は全体平均(5.38)と比べても大きな差はなく、年齢による運転技術や認知能力への影響はまだ少ないとも考えられます。

一方でグラフでは16~19歳の死亡事故数も非常に高くなっていますが、これは免許を取得したばかりで運転に慣れていない人も多く、また原付バイクでは身体が守られていないので事故を起こしてしまうと死亡につながりやすいという点などが理由として考えられています。

指摘されている事故の原因

高齢ドライバーの事故原因の1つとして「認知機能の低下」が指摘されていますが、認知機能とはどのようなものなのでしょうか?

認知とは理解・判断・論理などの知的機能を指し、知覚・判断・想像・推論・決定・記憶・言語理解といったさまざまな要素を包括して認知と呼ばれるようになりました。

認知症では物忘れにみられるような記憶の障害のほか、判断・計算・理解・学習・思考・言語などを含む脳の高次の機能に障害がみられますが、その障害がみられる脳の機能として認知機能と表現されます。

引用:e-ヘルスネット

認知機能とは周りの状況を理解したり、判断したりするために大切な脳の機能です。つまり認知機能が低下すると、運転中のさまざまな要素について「確認」「判断」が適切に行われなくなり、正しい「運転操作」を行うことが難しくなります。他にも視力や身体能力の低下なども高齢ドライバーの事故の原因として指摘されています。

原因項目理由
確認視力の低下加齢とともに視力が低下し、さらに視野も狭まることによって道路上の車や歩行者、標識などを発見することが遅くなる
記憶力の低下記憶力が低下することで目的地までのルートを忘れてしまうなど
判断理解力の低下状況を正しく理解しにくくなり、適正な運転ができなくなる
操作身体能力、体力の低下自由に身体が動かせなくなったり、長時間の運転に対して疲労を感じやすくなる
反射神経の低下反射神経が低下することによって、ハンドルやブレーキ操作を適切に行うことが難しくなる
意識運転に対する姿勢長年の運転経験から運転に対する慢心などが生じている

安全に運転するためには運転中の周りの状況を「確認」し、状況に応じて適正な運転について「判断」し、そして、判断に基づいて車やバイクを「操作」することが、それぞれ適正に行われる点が大事だと言われています。しかしながら、加齢に伴い認知機能や身体能力が低下すると安全に運転することが難しくなるということになります。

FPコメント

長時間のドライブなどで疲労がたまると認知機能が一時的に低下するとも言われています。高齢者でなくても適度に休憩を取るなどの対策が大切です。

参考リンク
・内閣府「高齢者を取りまく現状

事故予防と対策

高齢ドライバーが事故を引き起こさないためにどのような対策が行われているのでしょうか?免許更新の際に行われる高齢者講習や運転者自身ができる予防策などについて解説しています。

高齢者講習について

70歳以上の方が運転免許を更新される場合、およそ2時間の「高齢者講習」を受講しないと更新することができません。また75歳の方は「認知機能検査」も受ける必要があります。

検査項目概要
高齢者講習視力検査動体視力、視野、夜間視力の3つについて検査を行います
座学交通ルールの確認や事故の映像を見ることで運転に必要な知識を再び身につける
運転検査一時停止やS字カーブなど定められた運転項目について適切に操作できているか点検します
認知機能検査
(75歳以上)
判断力や記憶力などについて判定を行うテストを実施します
高度化講習認知機能検査で低下が見られる場合は運転検査の際にドライブレコーダーなどを利用して自身の運転について再確認します

一般の運転免許の更新でも「視力検査」と「座学」は行いますが、高齢者講習では「運転検査」も行うのが大きな違いです。また指導員が同乗し実際に高齢者に運転してもらうことで、運転の際に必要な確認項目や操作方法などについて指導員から直接アドバイスを受けます。

75歳以上の方が認知機能検査で認知機能の低下していると判断された場合は、運転検査の際にドライブレコーダーなども使用し自分自身の運転について認識を改めたり、指導員から事故を起こさないためのアドバイスを受けます(高度化講習)。

視力検査の様子

視力検査では一般的な視力に加えて「動体視力」「視野」「夜間順応」の3つの検査項目が追加されていますが、加齢とともに視力や視野などが低下すると「確認」が遅くなり事故を引き起こす可能性が高まるからです。

このような高齢者講習を行うことで安全に運転ができるかを判断しますが、認知機能が低下していると判断されると医師の診断のもとに免許の更新を拒否(取り消し、停止)されることもあります。

参考リンク
・高齢運転者支援サイト「高齢者講習等の流れ

自分でできる事故予防

  • ・アクセル、ブレーキの踏み間違いの確認、または、装置の取り付け
  • ・衝突安全ブレーキ(AEB)や走行アシストが付属されている車種に変更する
  • ・安全運転の意識を高める

自分自身でできる事故の予防法はあるのでしょうか?まず高齢ドライバーの事故の中でよくあるのが「アクセルとブレーキペダルの踏み間違い」による事故です。踏み間違いによる事故は年間6,000件以上も起こっており、交差点や駐車場など人が多い場所でもよく起こる事故なので特に注意が必要です。

アクセルとブレーキの踏み間違いの事故を防ぐための方法として、「エンジンをかける前に2~3度ペダルの位置を確認する」ことがおすすめです。アクセルペダルとブレーキペダルでは大きさが異なりますし、踏み込みに必要な強さも異なります。底が厚い靴では双方の違いを認識づらくなるので、スニーカーなど運転に適した靴を選ぶことも事故予防に大切なポイントです。

これまで踏み間違いによってヒヤッとしたことがあるという方には、ペダルの踏み間違いを防止してくれる装置の取り付けもおすすめです(Youtube)。また最近では自動ブレーキによって急発進を抑制したり車線はみ出しを警告で知らせてくれる車種も増えてきたので、このような安全運転をサポートしてくれる車種に変更することも検討してみましょう。

FPコメント

日ごろの運転で「かもしれない運転」を意識したり、譲り合いの気持ちを持つだけでも安全運転の意識が高まるのでおすすめです。

参考リンク
・JAF「ペダルの踏み間違いを防止するには?

運転免許の自主返納

もし、自分自身の運転に危険を感じたり家族から運転を止められた場合は、運転免許を自主返納されることも1つの手段です。車が運転できなくなると買い物や通院などで不便になると感じてらっしゃる方も多いと思いますが、交通事故を引き起こす可能性が高いと思われる状態で運転を続けることは非常に危険です。自主返納するかどうかで迷っておられる方も多いと思いますが、以下のような点に当てはまる場合は自主返納されることをおすすめします。

  • ・知らない間に車にコスリ傷が凹みが増えている
  • ・スムーズに駐車できなくなり、多くの時間を必要とする
  • ・歩行者や自転車、信号の発見が遅れたり、見落としたりすることが増えた

普段運転している車に知らない間にコスリ傷や凹みが増えている場合、ガードレールや電柱、壁などに車が軽く衝突しているのにも関わらず運転者が気づいていないということになります。つまり、事故を起こした事も認識できておらず、また事故を起こしそうな状態であったことも認識できていないので、とても危険な状態で車を運転しているとも言えます。

また普段慣れている駐車スペースでもスムーズに駐車できなくなった場合も自主返納を考える1つの基準となります。駐車をするためには空間の認知能力や身体能力が必要となり、これらが衰えてくると駐車のために必要な操作を行うことが難しくなります。上記のように認知能力や身体能力は安全に運転する上でとても大切なポイントなので、スムーズに駐車できるかどうかが免許を自主返納すべきかの判断基準となります。

運転免許を自主返納を検討する高齢者

信号を見落としたり、歩行者や自転車、対向車の発見が遅れることが増えたと感じたら運転免許の自主返納を検討してみましょう。交通事故によって死傷者や経済的な被害を生まないだけではなく、高齢ドライバー自身の命も守られることが大きなメリットです。

  • メリット
  • ・都道府県からさまざまな特典を受けることができる
  • ・事故を起こさなくなるという精神的な解放感
  • ・自動車保険の保険料や税金などの費用がかからない(車も手放す場合)
  • デメリット
  • ・公共交通機関が整備されていない地域では移動手段が無くなる
  • ・重い荷物を運べなくなる
  • ・家族への負担が増える

免許証の自主返納を行うことで運転経歴証明書を代わりに受け取ることができますが、運転経歴証明書を提示することで自治体からさまざまな特典を受けられるようになっています。例えば、タクシー乗車やバス料金の補助、ネットスーパーの配送料割引、百貨店の商品配送料無料などがあり、移動手段が無くなったり重い荷物を運べなくなるというデメリットを少しでも解消できるようになっています。

もし近くに家族が住んでいるのであれば、買い物や通院などを助けてもらうのも1つです。最近ではタブレットで簡単に注文ができるネットスーパーや決まった食材を定期的に届けてくれる宅配サービスも多いので、自主返納後の生活の変化を想定しながらよく検討されることをおすすめします。

参考リンク
・警察庁「運転免許証の自主返納について
・尾木直樹(尾木ママ)オフィシャルブログ「免許証返納して安心、安全、解放感!!

損害保険会社の対応と今後の予想

高齢者の自動車保険の保険料

75歳以降の高齢者の事故率は加齢とともに高くなっていますが、自動車保険(任意保険)の契約を行う場合に保険料はどのように変化するのでしょうか?

年齢アクサダイレクトイーデザイン損保ソニー損保チューリッヒおとなの自動車保険
40歳38,050円38,930円56,270円36,390円40,090円
60歳43,170円40,730円62,240円39,650円45,220円
65歳45,080円43,070円66,340円42,270円47,450円
70歳51,640円58,180円74,740円53,110円
75歳63,850円72,210円88,010円60,710円
※一括見積もりサービスおよび各保険会社のオンラインを利用して保険料を算出
◎見積もり条件:プリウス(ZVW51、AEBあり)、対人対物賠償保険(無制限)、人身傷害保険(3,000万円)、搭乗者傷害保険なし、車両保険あり(一般型、車両保険金額220万円、免責5-10万円)、東京都、日常・レジャー、年間走行距離9,000-10,000km、12等級、事故なし、ゴールド免許、本人限定、他社からの乗り換え

事故率が最も低いとされる40歳を条件にして見積もりを取得したところ、ダイレクト型では平均して4万円ほどの保険料となりました。年齢以外をすべて同じ条件に設定して高齢ドライバーに該当する年齢で保険料の見積もりをとったところ、60歳の保険料では40歳に比べて数千円程度のアップにとどまっていますが、65歳では5,000~10,000円のアップ、70歳では13,000~20,000円のアップ、そして75歳では40歳に比べて25,000~40,000円ほどの保険料アップとなりました。

今回は12等級で試算しましたが、より低い等級や事故有等級の場合は年齢が上がるほどさらに保険料がアップします。また損害保険会社によっては補償内容や年齢条件によっては引受(契約)ができないところもあるようです。

FPコメント

運転免許の自主返納とともに車も手放せば毎年の保険料や車にかかる税金も節約することができます。浮いたお金をタクシー代や公共交通機関にかかる費用に回してみるのも1つです。

衝突安全ブレーキ(ASV)割引

自動車保険を販売している損害保険会社では、2018年7月より衝突安全ブレーキ(AEB装置)がついている車種に対してASV割引をスタートさせました。最大で保険料が9%も割引になるので、保険料が高い高齢者や20歳以下の人がASVがついている車種を選ぶとメリットが大きくなります。

ASV割引が適用されるのは販売されてから3年以内の車種に限られているので、自動車保険をかける車が割引の適用を受けられるか事前に保険会社に確認されることをおすすめします。

テレマティクス保険

また東京海上日動が提供する「ドライブエージェント パーソナル」のように、ドライブレコーダーを利用して安全運転をサポートしてくれる「テレマティクス保険」も普及しつつあります。

今後、自動車メーカーは「自動走行システム」によって人間の運転操作を必要としないクルマの開発を進めますが、損害保険会社には自動走行システムに即した保険制度の整備も期待されています。

参考リンク
・東京海上日動:「ドライブエージェント パーソナル

【まとめ】
高齢ドライバーの事故が多発していることを受けて、今後は75歳以上の高齢ドライバーの保険料がもっと上がる可能性があります。また75歳以上の人を対象に新免許制度を設立し、運転できるのは衝突軽減ブレーキが搭載された車種に限定するという話も出ていますが、制度の移行や普及までにもまだまだ時間がかかると考えられます。高齢でないドライバーも日ごろから安全運転の意識を持つことが大切だと改めて実感しました。

交通事故の過失割合の決まり方と事例、注意点

事故現場での話合い

2019年5月8日、滋賀県大津市の交差点で直進車と右折車が衝突する交通事故が起こり、近くの交差点で信号待ちをしていた園児二人が亡くなりました。このような交通事故を起こしてしまった場合、双方の過失についてはどのように決まるのでしょうか?この記事では過失割合の決まり方や事例、また過失認定の際の注意点などについて解説しています。

過失割合とは

自動車同士の事故や歩行者または自転車との事故が起こる原因として、車の運転者や歩行者、自転車の注意不足が挙げられます。例えばわき見運転をしていたり考え事をしていて信号を見落としていたり、優先道路を認識せずに交差点に進入すれば運転者の注意不足となりますし、歩行者や自転車であっても左右を確認せずに道路に飛び出せば過失を問われることになります。

事故のイラスト

交通事故が起こった際にどちらにどれくらいの責任があるのか、不注意の程度はどれくらいだったのかを数字で表したのが「過失割合」です。過失割合は一般的に「30:70」「100:0」のように合計が100になる形で割合が示されますが、第3者がいる事故の場合は「30:20:70」のように合計が100を超える形で示されることもあります。

この過失割合に応じて事故で生じた損害額をどちらがどれくらい負担するのかが決定されます。そのため過失割合の決定については慎重に行う必要があります。

過失割合の決まり方

実際に過失割合はどのように決定されるのでしょうか?ほとんどの交通事故では過去の裁判(判例)を基に作成された「過失割合の事例」を参考にして、双方の損害保険会社の担当者同士の話合いで決定されます。事故当事者に対する聴取や警察によって作成された事故見分書、ドライブレコーダー、目撃者の証言などによってどのような事故が起こったのか検証し、過失割合の事例と照らし合わせて過失割合を決定していきます。具体的な事例は下で解説しています。

  • ・過去の交通事故例による決定(損保会社の担当者による話合い)
  • ・裁判による決定

もし一方が自動車保険に加入していなかったり双方が加入していない場合は当事者同士の話合いや、弁護士に依頼して代理人として話合いを行ってもらうことになります。過失割合について納得がいかない場合は裁判によって決定されることもありますが、弁護士費用がかかったり保険金が下りるまで時間がかかったりなどのデメリットもあるので注意しておきましょう。

修正要素

過失割合のおおまかな数字については「典型例」から当てはまる事故の類型を見つけ、基準となる過失割合が決まります。例えば交差点(青信号)における直進車と右折車の事故の場合、直進車の過失割合は20、右折車の過失割合は80となります。右折車の方の過失割合が大きくなるのは、青信号の交差点において直進車が優先で通行できることとなっているため、右折車の注意不足が事故の大きな原因として考えられるためです。

直進車と右折車の典型例

しかしながら交通事故はさまざまな要素が絡み合っているため、同様の事故をすべて同じ過失割合で決まってしまうのは不公平ですし納得がいかない当事者も出てきます。そこで事故ごとに「修正要素」を判定して、典型例で定められている過失割合をベースに増減されることになります。例えば上の図解で示した直進車が法定速度よりも20km以上スピードを上げて走行していたとします。この場合はスピードを出していた直進車の過失が重いと判断され、ベースの過失割合20:80からプラスマイナス10されて30:70と変化します。

修正要素による増減

修正要素も典型例と同様に過失割合の増減の値が定められています。他にも夜間のヘッドライトの点灯や走行中の携帯電話の操作、右左折時におけるウィンカーの出し忘れなども修正要素と挙げられており、万が一の事故の際に損害賠償額にも大きく影響してくるので交通事故を予防するという点でも日ごろから安全運転を心がけることが大切です。

修正要素(対歩行者、対自転車)増減割合概要
夜間マイナス5 ~ 20%夜間は車やバイクのヘッドライトで車両を発見しやすいため、歩行者の過失割合がプラスされます
幹線道路マイナス5%車どおりが多い幹線道路では歩行者や自転車の運転者も一般道に比べて注意義務があるとされます
児童、高齢者など5 ~ 10%児童や高齢者の横断、すれ違いに関してはいつも以上に注意する必要があるとされるため
後退、ふらふら歩き5 ~ 20%横断歩道上をふらふらと歩いたり意味もなく後退すると歩行者の過失が問われることがあります
修正要素(車対車)増減割合概要
著しい過失10%15~30km未満のスピード違反や酒気帯び運転、わき見運転などの運転者の過失がある場合
重過失20%30km以上のスピード違反や酒酔い運転、煽り運転、無免許運転など重大な過失がある場合
合図遅れ、合図なし5 ~ 20%右左折時のウィンカー出し遅れ、停車時のハザードランプ点灯無しの場合も
徐行なし10%徐行指示の区間で徐行を行わなかった側に対して過失割合がプラスされます
既右折10%すでに交差点に進入している右折車がいる場合、ブレーキによる減速や停車で衝突を避けられた場合

気を付けなければいけないポイントとして、歩行者や自転車であっても注意義務があるという点です。特に夜間の場合は歩行者や自転車の方に過失割合がプラスされるので注意する必要があります。反対に歩行者が児童や高齢者の場合は判断能力が低いためによりいっそうの注意をして運転しないといけないため、事故が起こった際には過失割合がプラスされます。

車対車の事故の場合においては基本的に道路交通法のルールを守っていれば過失割合がプラスされることはありません。ただし、青信号で直進車と右折車の事故のような場合ではどちらがより重い判断ミスをしたのかが問われることになります。例えば黄色信号での右直事故の場合、すでに右折車が交差点に入っていると認められれば直進車の方に過失がプラスされることもあるので、交差点に進入する場合は慎重に車を運転することが大切です。

過失割合の事例

自動車同士や対歩行者、高速道路上でよく起こる交通事故ではどれくらいの過失割合になるのか、過去の事例をもとに図解で紹介します。

自動車同士の事故

直進車同士の交差点における衝突事故
同じ道路幅で信号がない交差点における衝突事故の場合、左側の直進車が40、右側の直進車が60という過失割合になります。これは道路交通法で左側の車が優先して走行できる事になっているためで、左側を走っていた直進車の過失が10%減り、反対に右側の直進車の過失が10%増えることとなります。

停車車両への後ろからの追突事故
停車可の道路上で停車していた車両に、後ろから走行してきた車両が追突事故を起こした場合、停車車両の0、後ろから追突した車両は100という過失割合になります。ただし、停車禁止場所で停車していたり、歩道側に車を寄せて停車していなかったり、ハザードランプの点灯を忘れていたりすると停止していた車両側にも過失が認められることもあります。

自動車と歩行者の事故

青信号で横断中の歩行者との衝突事故
青信号で横断歩道を渡っている歩行者に車が衝突した場合は0:100ですべての過失を自動車の運転者が負うことになります。もし赤信号であった場合は歩行者の過失が大きいと判断されて歩行者が70、自動車が30という過失割合になります。歩行者もスマホを見ながら歩いていて赤信号を見落としていたりするとさらに過失が大きくなるので注意しましょう。

高速道路上の事故

高速道路上で車線変更時の衝突事故
高速道路上でよく起こる交通事故として車線変更時の衝突事故が挙げられます。図解では追い越し車線への車線変更時に、後ろから走行してきた車と衝突した状態を示しています。この場合の過失割合は後続車が20、車線変更を行った車が80となっています。これは右側後方に対する注意不足から車線変更を行った車の過失が大きいと判断されます。

この場合でもウィンカーを出し忘れていたり合図が遅れると過失が増え、反対に追越車線を走っていた車が法定速度のスピードを大きく超過して走行していたのであればこちらの過失が大きくなります。

FPコメント

一般道では車線変更時の基本過失割合は30:70となっているのですが、高速道路上ではより速いスピードで走行しているため一般道よりも大きな注意義務が発生していると考えられています。

過失認定の際の注意点

交通事故が起こると以上のように「典型例」と「修正要素」の組み合わせによって過失割合が決まります。実際には双方の損害保険会社の担当者同士が過去の例をもとに話し合いで過失割合を決め、その後で事故の当事者に連絡が来るという流れになります。

納得がいかない場合の対処法

提示された過失割合に納得がいかない場合も多くあります。このような場合には保険会社の担当者に再交渉してもらうように依頼することもできますが、こちらに有利となるような証拠が新しく発見されないと過失割合を変更させることが難しくなります。そのためドライブレコーダーの映像をもう一度よく見てみたり、事故現場近くの防犯カメラの映像を集めてきたりするなど修正要素として利用できる証拠を集める必要があります。

  • ・こちらが有利となる証拠を集める
  • ・専門の弁護士に依頼する

しかしながら、事故で入院や通院が必要になり自分自身で調査を行うことができないこともあります。そんな時には交通事故専門の弁護士に依頼すると事故について改めて調査してくれたり、相手方の担当者と示談交渉を行ってくれるというメリットがあります。弁護士に依頼すると着手金などの費用がかかるデメリットもありますが、任意保険に付帯できる「弁護士費用特約」を付けておくと調査や裁判にかかった弁護士費用を最大で数百万円まで負担してくれます。

過失ゼロは損保会社が交渉を代行できない

もう1つ注意しなければいけない点として、こちらの過失がゼロとなる0:100の過失割合の場合、保険会社の担当者が交渉を代行できないということが挙げられます。こちらの過失が無いのであれば保険会社が保険金を支払う必要がなくなり、事故相手と交渉する必要も無くなるからです。

しかしながら相手方の保険会社の担当者と示談交渉を進めて損害賠償額などについて交渉する必要がありますし、ケガで入院中であったり業務上で事故に巻き込まれた場合などは精神的にも大きな負担を強いられてしまうことになります。このような場合でも弁護士費用特約をつけておけば弁護士が代わりに相手方の保険会社と示談交渉を行ってくれます。

FPコメント

実際に事故に遭遇すると過失割合や損害補償額について納得できない人も多いようです。大きなケガを負うケースなどに備えて、弁護士費用特約を付帯させておくと安心です。

過失相殺について

過失相殺とは過失割合に基づいて損害額から差し引かれて賠償額が決定されるというものです。過失ゼロの場合は損害額のすべてを相手方に請求することができますが、被害者側に過失がある場合ならその割合に応じて賠償額が減額されます。

例えば歩行者が赤信号で横断歩道を歩行していた際に車にはねられ後遺障害を負い、3,000万円の損害額になったとします。赤信号で横断していれば歩行者の過失は70%となり、3,000万円から70%が減額されて900万円の損害補償額となります。また相手方の車種がスポーツカーや高級車だった場合では、こちらの過失割合が低いのにも関わらず高額な修理費用を請求されることもあります。

対人賠償、対物賠償においても賠償額が数億円にも上る判例もあり、たとえこちらの過失が10%であっても数千万円の賠償額を請求される可能性もあります。損害額が大きくなるような事故に備えて対人・対物補償は無制限、人身傷害保険も5,000万円以上の補償が受けられるようにしておくようにしておきましょう。


最後に管理人から1つだけお願いがあります。自動車保険を販売してきた経験の中で最も悲しいのが死亡事故です。保険金という形でしか償えないという運転手のもどかしさに近いような反省の気持ちと、「お金なんてどうでもいい」という被害者ご家族のお言葉の狭間で、担当者として何ができるのだろうかと自問することも多々ありました。

滋賀の事故の一報を聞いた時にも1児の子を持つ父親として胸が締め付けられる想いがしました。自動車保険は万が一の事故の際に民事上の責任をカバーするためのものです。しかしながら、大切な人を失った被害者のご家族にとってかけがえのない存在をお金で替えることは到底できないことですし、加害者となったドライバーは一生をかけて罪を背負い自分自身を責め続けることになります。

これ以上悲しい交通事故を引き起こさないためにも、自分自身を苦しめることが無いようにするためにも、自動車やバイクを運転する際には「安全運転」について今一度考えていただけたらと思います。

参考リンク
・弁護士ドットコム「過失割合に納得いかない法律相談
・三井ダイレクト損保「過失相殺とは
・「判例タイムズ

協力、監修
佐藤真一@FP

一括見積もりを依頼する際の注意点

コールセンターの女性

自動車保険の更新日が近づいてきてそろそろ保険料を比較して保険会社の乗り換えを検討されている方も多いと思います。保険料や補償内容、各社のサービスを比較するという点では一括見積もりサービスを利用するのがとても便利ですがいくつかの点に注意する必要があります。

一括見積もりサービスを利用する際の注意点

保険料の表示方法

まず1つ目はサイトによって保険料の提供方法に違いがあるという点です。見積もりに必要な情報を入力して依頼を行った後にそのままウェブ上で保険料が表示されるタイプ(インズウェブ、NTTイフ)と、登録したメールアドレスまで各社の保険料が個別に送られてくるタイプ(bang!、価格コム、楽天自動車保険)の2種類があります。

検討する女性

ウェブ上で比較できるタイプでは補償内容(各保険の保険金、特約の種類など)とともに保険料が比較して表示されるので比較しやすいのが大きなメリットです。もう1つのメールで保険料が届くところではそれぞれのメールを確認して比較しなければいけません。ただしメールを確認できる状況であればいつでも保険料をチェックできるというメリットがあります。

ただしどちらのタイプも補償内容や保険料を確認したり、別の条件で比較するためにはIDとパスワードを入力してユーザーページにログインする必要があります。更新日が近づくとさまざまな損害保険会社から案内のメールが届きますが、電話で営業されるということはありません。一括見積もりサイトが対応している損害保険会社は以下のテーブルの通りです。

見積もりに参加している損保会社

また一括見積もりサービスに参加している損害保険会社も異なるという点にも注意が必要です。例えばA社とB社で比較したいのに、A社とB社の両方が同じ一括見積もりサービスに参加していないと一度の利用で保険料を比較することができません。以下に参加企業を比較してまとめてありますので参照してください。

損害損保会社ウェブで比較メールで比較
インズウェブNTTイフ保険スクエアbang!価格.com
(楽天自動車保険)
アクサダイレクト
イーデザイン損保
SBI損保
セコム損保
セゾン自動車火災
ソニー損保
チューリッヒ
三井ダイレクト損保
あいおいニッセイ同和損保
朝日海上火災損保
AIG損保
損保ジャパン日本興亜
東京海上日動
三井住友海上
全労済
※そんぽ24は2019年7月よりおとなの自動車保険との統合を予定
△個別見積もりに対応

同条件で保険料比較が難しい

3つ目の注意点はすべての損保会社に対して同じ条件で見積もりを依頼することは難しいという点です。例えば事故で運転者や搭乗者がケガを負ったり亡くなった場合に補償される人身傷害保険ですが、保険会社によっては最大で1億円までの保険金を設定できるところ(アクサダイレクトなど)と無制限で設定できるところ(おとなの自動車保険など)があります。

そのため人身傷害保険を無制限として一括見積もりを依頼しても、一部の保険会社では1億円の保険金設定として保険料が算出されることになります。他にも車両保険やいくつかの特約についても損保会社によって補償内容が異なっていることがあり、名称が同じであっても実際はどのような補償内容となっているか契約前にしっかりと確認しておくことが大切です。

FPコメント

同じ条件で比較するためには無制限を5,000万円にしてみたり、特約を付けない状態で一度見積もりを出してみるのも1つの方法です。

またJA共済や一部の損保会社は個別で見積もりをとる必要があります。ダイレクト型に対応していればネットから見積もりを確認することができますが、代理店型の損害保険会社の中には担当者と面談を行わないと保険料を確認できないところもあるので注意しておきましょう。

補償内容のチェックポイントと保険料を抑えるコツ

  • ・補償範囲 → 対象範囲と年齢条件をできるだけ絞る
  • ・車両保険 → 免責金額を高くする、古い車種は付帯なし
  • ・人身傷害保険 → 一緒に乗る人数が多い場合は2億円や無制限を
  • ・各種特約 → 弁護士費用特約をつけ、個人賠償責任特約は他の保険を確認
  • ・ロードサービス → JAFや他のサービスに加入していれば外す

自動車保険の保険料を左右する大きな要素として「補償範囲」「年齢条件」と「車両保険」があります。補償範囲は運転手の属性によって補償の対象となる人を限定するもので、「本人限定」「配偶者限定」などがあります。年齢条件は補償の対象となる人の年齢を限定するもので、年齢が低いほど事故率が高いというデータもあるため18歳の人を補償範囲に含めると保険料が大きくアップしてしまいます。この2つについてはできるだけ条件を絞って契約を行い、もし補償範囲外の人が車を運転するのであれば一日自動車保険などを活用するのがおすすめです。

次に車両保険ですが、車両価格が高くすべての補償を備えた「一般型」で契約をすると保険料が大きく上がります。エコノミーや限定にすることで保険料を抑えることもできますが、単独事故やあて逃げなどにも備えたい方であれば一般型で契約し「免責金額」を高く設定することで保険料を抑えることもできます。特に古い型式の車であれば車両保険をつけずに契約することも検討しておきましょう。

また万が一の事故に備えて弁護士費用特約を付帯させておくと安心です。示談交渉になった場合は相手方が加入している損保会社の担当者と話し合いになり、こちらが不利な条件で示談を進められてしまうこともあります。このようなことを避けるためにも一定の金額まで弁護士にかかる費用を負担してくれる弁護士費用特約はおすすめです。個人賠償責任特約も他の保険で加入していれば付帯させる必要はなく、火災保険やバイク保険に付帯していることも多いのでチェックしておきましょう。

損保会社によってはロードサービスを外して保険料を削減できるところもあります。JAF会員であったり他の同様のサービスを受けられるのであればロードサービスを外しても大きな問題はありません。補償内容や特約の有無などの条件を同一にすることで保険料の比較を行うことができますが、現場への駆けつけサービスやキャンペーンなども含めて総合的に比較検討することが大切です。

参考リンク
・三井ダイレクト損保「自動車保険のかしこい選び方

更新(引受)を断られるケースと対処法

拒否する男性

3月は自動車保険を更新される方も多く、そろそろ更新を踏まえて保険会社の比較検討をしたり既に保険料の見積もりを依頼されている方も多いと思います。しかしながら、現在の保険期間中に起こした事故件数や等級によっては自動車保険の更新や乗り換えを断られることもあります。この記事では引き受けを拒否される理由や対処法について解説しています。

更新(引受)の拒否とは

自動車保険を販売している損害保険会社は申込者に対して契約を行うかどうか自社で基準を設けており、また保険が加入者同士の相互扶助の精神で成り立っていることからも事故率が高い人(等級が低い人、事故件数が多い人)の契約(引受)拒否を行うことがあります。

また事故率のデータを取得することが難しいため、キャンピングカーや特殊な車種などを契約の対象外としている損害保険会社もあります。

  • 等級、事故件数
  • ・1~3等級で過去の事故件数が多い人
  • ・年間の事故件数が2件以上
  • ・1等級の人で保険期間中に事故を起こした人
  • 引受できない車種
  • ・キャンピングカー、改造車など
  • ・型式が分からない車
  • ・事業用車(ダンプカー、除雪車など)

事故件数(保険を使う)が多い場合

任意保険の等級制度は6等級からスタートし、保険期間中に事故を起こさなかったり事故を起こしても保険を使わなければ次回の更新時に1等級アップします。等級がアップするほど事故を起こす確率が低い人だと考えられるため保険料の割引が受けられます。反対に事故を起こして保険を使うと事故1件につき次回の更新時に3等級または1等級ダウンし、保険料が割高になってしまいます。

例えば6等級の人が自損事故を起こしたため車両保険を使って車を修理した場合、次回の更新時に等級は3等級となり保険料は12%の割高となります。3等級以下になると事故を起こす可能性が高い人だと考えられるため保険料が大幅にアップするだけではなく、事故件数や過去の等級の変遷なども踏まえて次回の更新を拒否される可能性もあるので注意が必要です。

保険会社を乗り換えても等級は引き継がれるため、会社を乗り換えて契約をしてもらうことも難しくなります。ただしどのような人を引受拒否とするかは保険会社によって判断が異なります。例えば同じ等級であっても大きな事故を起こしてダウンしたのか、それとも飛び石や落書きなどによる車の修理でダウンしたのかでは運転者の運転技術や事故率に対する捉え方も変わってきます。そのため更新時期よりも少し前から一括見積もりサービスなどを利用して、更新や乗り換えができるかどうかを早めに確認されることをおすすめします。

対象外の車種の場合

また車の種類によっては引受を断られる保険会社もあるので、他社への乗り換えを検討されている方は注意が必要です。主に契約ができない車種としてキャンピングカーなどの特殊な車、改造している車、型式が分からない車、そして事業のために利用されている車があります。

キャンピングカーなどの台数が少ない車種は事故率などの統計的なデータを取得しにくいという面から保険料の算出が難しくなっています。そのため保険会社によっては契約を断られるところもあります。またエンジンやマフラー、車体などを改造している車に関しては個々の車によって操作性や安全性などが異なっていたり事故率がアップしている可能性があると考えられるため、任意保険の引受を拒否する保険会社が多いです。

引受拒否されても任意保険に加入するためには

車種が理由で引受を断られるケースでも、大手損害保険会社であれば自動車保険に加入することができる場合もあります。また特殊な車種を専門に取り扱っている代理店をはじめ、ダイレクト型でもSBI損保やイーデザイン損保はキャンピングカーであれば引受を行っているので、更新前によく確認されることをおすすめします。

低い等級や事故件数で引受を拒否された場合でも、担当者と面談したり事故の内容を伝えることで保険に加入できるケースもあります。この場合、過失割合などについて問われることもあるので警察の実況見分調書や相手方との示談書などが必要になることもあるので準備しておきましょう。

キャンピングカー

等級をリセットする方法とデメリット

引受を拒否されたケースでも13ヶ月間保険に加入しなければ等級がリセットされて、6等級から新規加入することができます。この場合、13ヶ月間は自賠責保険のみで車を運転するか、限定なしで補償されている車を借りて運転することが考えられます。しかしながら、他人名義の自動車保険を使っても等級が低い人が主に運転しているのであれば記名被保険者が異なるため告知義務違反となり保険金が下りない可能性もあります。

FPコメント

自動車保険(任意保険)に加入していない状態で運転するのはリスクが高いため、13ヶ月間待って等級をリセットする方法はおすすめできません。

また今回の更新で2~3等級となってしまった方は次回の更新時で等級がダウンすると任意保険に加入できない可能性が大きくなります。そのため軽微な自損事故や修理代があまりかからないキズなどであれば対物賠償保険や車両保険を使用せず、自腹で賠償金や修理費用を負担するようにしましょう。自己負担で賄うことで次回の更新で1等級アップするため、自動車保険に加入しやすくなります。

参考リンク
・シェアティブ「キャンピングカーのための自動車保険

雪の天候で自動車やバイクを運転する際の注意点と対策

タイヤチェーン

3連休の最終日となる2月11日は日本海側や北海道をはじめ、東北地方の太平洋側や西日本の山間部でも雪が積もり、連休明けの12日は積雪や路面の凍結に注意が必要です。

雪が堆積した道路を運転する際の注意点

道路に雪が積もるとどのような危険があるのか、まずは下の動画をご覧いただけたらと思います(Youtube)。

動画では雪国(主に札幌)の風景を映していますが、天候が雪の際にまず気をつけなければいけないのがスリップ事故です。雪が道路上に積もったり路面が凍結すると摩擦力が低下してブレーキが利きにくくなり、運転している車がスリップすることで対向車や横断歩道中の歩行者や自転車にぶつかってしまうという事故が起こりやすくなります。車がブレーキをかけてから止まるまでの距離を「制動距離」と呼びますが、通常の路面における制動距離10mとすると、簡単な計算方法で算出すれば圧接された雪道では30m、そして凍結した道路(アイスバーン)では80mもの距離を必要とします。

この制動距離に関係しているのがタイヤの種類で、冬用タイヤとして知られている「スタッドレス」を着用することによって接道や凍結路面上でのブレーキの利きをよくして制動距離を抑えることができます。またチェーンを着用することでもブレーキの利きを向上させることができますが、着脱が面倒だというデメリットもあります。都市部で積雪が予想される場合はスタッドレスタイヤを、雪が多い地域やスキー場などへのドライブにはチェーン着用がおすすめです。特にバイクや自転車の二輪車は雪によって滑りやすく転倒する危険性も高いので、車で追い抜く際にはスピードを落とし大きな事故につながらにように注意することが大切です。

    雪で交通事故が増える理由

  • ・積雪や路面凍結(アイスバーン)によってブレーキが利きにくくなる(スリップ事故)
  • ・フロントガラスやヘルメットに残った雪、ホワイトアウトなどによる視界不良
  • ・道路のセンターラインや標識が見えづらい、歩道や側溝との境界が分かりづらい

また雪が降るとフロントガラスやヘルメットのゴーグルにも雪が残ってしまい、通常よりも視野が狭まってしまうことも事故が増える原因です。そのため車を運転する前に車上に積もった雪を落とし、ワイパーが正常に動作するか確認するようにしましょう。雪が降っているだけでも周りが暗くなり周辺環境が見えづらくなるので、早めにヘッドライトを点灯させたりブレーキをかける際は複数回に分けてブレーキを踏み後続車が車間距離を測りやすいようにするなどの工夫も事故を防ぐために大事なポイントです。激しく雪が降っている状態では周りがほとんど見えなくなる「ホワイトアウト」状態となるので、ハザードランプを点灯させながら先行する車を見失わないようにしましょう。

雪天候における視野

道路に雪が残っているとセンターラインが見えづらくるなるため、対向車に気をつけながら走行することが事故を防ぐためにも大切です。また歩道側の側溝や水路も雪で塞がれていると道路との境目が分かりづらいので、普段の生活で通り慣れている道でも慎重に運転するように気をつけましょう。特に除雪車が出動しているような雪国では道路脇に除雪された塊が高く積み上げられていることもあり、交差点に進入する際は徐行するなどいつもより安全運転を心がけることも大切です。

種類おすすめプラス
装置ABS4WD
装備スタッドレスタイヤ、応急用タイヤチェーン
車載携行品発煙筒、三角停止板、輪止め、懐中電灯、モバイルバッテリー、スコップ毛布(タオル)、牽引ロープ、ジャッキ、アイスクレーパー、レスキューハンマー、ブースターケーブル
心がけ安全運転、事前ルートチェック、ガソリン補給、ロードサービス確認慎重な気持ち

雪国や雪の天候で運転をする場合、車の機能や装備、車内への携行品などについて予め確認するようにしましょう。まず車の装置ですが、最近ではほとんどの車にABS(アンチロック・ブレーキ・システム)が搭載されており、凍結した路面など摩擦力が生まれにくい状態で急ブレーキをかけた際にタイヤがロックされることで引き起こされるスリップを制御する機能があります。型式が古い車ではABS装置が搭載されていないこともあるので、ロックがかからないように数回に分けて小刻みにブレーキを踏むようにしましょう。また前輪と後輪で駆動する4WDでは坂道などで空転が起こりにくく、スキー場や山中にある温泉街で運転する場合にはおすすめです。

タイヤについてはスタッドレスタイヤであれば雪道でも十分に走行することが可能です。ただし新雪が降り積もっている場所や坂道が多い場所を走る場合はよりブレーキ機能が高まるチェーン装着をおすすめします。また万が一の事故やパンクに備えて応急用タイヤや修理キットを車内に備えておきましょう。他にも車の位置を知らせるための発煙筒や三角停止版、懐中電灯などは夜間の事故時にも役立ちます。最近ではスマホのGPSを利用して加入している保険会社へ現在位置を通知することができますが、肝心な時にバッテリーが無くなっていないように携帯電話用の充電ケーブルやモバイルバッテリーも携行されることをおすすめします。

もし雪にはまって立往生してしまった場合(スタック)、他の車で引っ張ってもらうための牽引ロープや簡易ジャッキなどもあるとレッカー車を呼ばなくても助かる場合があります。周りに助けてくれるような車がいない場合に備えて防寒用の毛布やガラスを割って外へ脱出するためのレスキューハンマーなども命を守ってくれるものとなります。また前を走っている車が動かなくなり長時間にわたって立往生しなければならない状態に陥る可能性もあります。このような場合、エアコンを動かすためにエンジンをかけたままにする方も多いと思いますが、車の周りを雪で囲まれてしまうとマフラーから排出された排気ガスが車内へ送り出されて一酸化炭素が充満することで死亡事故につながることもあります。このような事故を防ぐためにもスコップを利用してマフラー周りの排気をよくしたり、定期的に車内の換気を行うことも大切です。

そして雪道を走る上で何より大切なのはいつも以上に安全運転を心がけることです。スピードを出しすぎないことはもちろん、むやみな車間変更を避けたり、十分な車間距離を空けて停車するように心がけましょう。また事前にドライブルートを確認したりガソリンを満タンにしておくなど、慎重な気持ちを持って運転に臨まれることをおすすめします。

雪に対する自動車保険の補償

雪道でスリップして起こした事故も通常の事故と同様に補償が適用され、対人・対物賠償保険や人身傷害保険、車両保険などによって補償されます。ただし、車両保険は事故内容によっては補償の適用外となることもあるので注意が必要です。例えば車対車のみを補償対象としている限定Aタイプの車両保険で契約している場合、スリップ事故による車対車の事故では補償対象となりますが、落雪や雪崩による損害が生じても補償の対象外となります。

項目補償適用補償適用外
雪による車への損害一般型、エコノミー型限定A、車両保険なし
スリップ事故で車との衝突対物賠償保険、車両保険(すべてのタイプ)車両保険なし

また過失割合の計算においても、雪や路面凍結による要因は関係ないものとして算出されます。例えば雪道上を運転している際にスリップを起こし対向車線にはみ出し衝突事故を起こしたとしても、雪や路面の状態は考慮されず通常の路面と同様に過失100:0で算出されることになります。たとえ雪が原因で事故を起こしたとしても、事故を起こした責任は過失割合に応じて取る必要があるのでいつも以上に安全運転を心がけることが大切です。雪が原因で引き起こされた事故はどちらに責任が重いかについて話し合いを行う過程で双方が納得いかないことも多く、示談交渉や裁判に発展することもあるので万が一に備えて弁護士費用を負担してくれる特約を付帯させておけば安心です。

単独事故の場合でも落輪引き上げやスタックからのレッカー移動などのサービスを無料で利用できる「ロードサービス」が役に立ちます。特に提携している警備会社の緊急スタッフが事故現場までかけつけてくれるサービスは、事故現場の撮影や警察への連絡なども代行してくれるのでいざという際に心強い存在です。事故受付も24時間365日に対応しており、平日の夜間でも事故対応を行ってくれる保険会社もおすすめです。

参考リンク
・三重河川国道事務所「スタッドレスタイヤの機能
・マイカー賃貸カルモ「4WDのメリットは雪道での発進しやすさに尽きる!
・ソニー損保「大雪、雪崩による損害

海外旅行、出張で車を運転する場合と注意点

海外を旅行するのが好きだけどツアーでは物足りないという方や仕事である国の中のいろいろな場所を訪問する計画があるという方にとって、現地でレンタカーを借りて自ら運転して自由に移動するという選択肢もあります。ツアーにはない場所を訪れたり自由に計画を立ててより充実した旅行や出張にすることができますが、海外で車を運転する場合はいくつかの点に注意しなければいけません。

まず海外で車を運転するためには免許証が必要となりますが、日本の運転免許証を取得している方は道路交通条約(ジュネーブ条約)に加盟している国であれば国際運転免許証を利用して車を運転することができます。国際運転免許証の申請は各都道府県の警察署の運転免許課、免許試験場、免許センターで行うことができますが、都道府県によって申請ができる場所が異なるためウェブサイトなどで事前に確認されることをおすすめします。また免許試験場や免許センターでは即日発行してもらえますが、警察署で申請する場合はおよそ2週間の発行期間が必要となるため余裕をもって申請しておきましょう。

  • ・国際運転免許証の申請を行う
  • ・渡航先の交通ルールについて調べておく
  • ・レンタカー会社とロードサービスを検討
  • ・海外での運転でも補償される自動車保険を契約しておく

また渡航を予定している国の交通ルールについても予め調べておきましょう。日本のように左側通行の国はイギリス、オーストラリア、インド、東南アジア、アフリカ南東地域の国々で、それ以外の多くが右側通行となっています。またアメリカや中国、韓国などの国では赤信号でも交差点を右折することができますが、オランダのように自転車が多い国では自転車用の信号機があるので状況を判断してから右折することになります。レンタカーを借りる場合も左ハンドルやマニュアル車だったり、ライトの付け方やワイパーの動かし方など分からない点も多いので事前によく確認されることをおすすめします。

海外旅行へ向かう家族

そして、海外で事故に遭遇したとしても日本で加入している自動車保険を使うことができない点に注意する必要があります。そのため海外で自動車を運転するのであれば、下の3つの中から補償を受けられるようにしておくことが大切です。まず海外旅行保険のオプションで付けられる「自動車運転者損害賠償責任特約」を付帯させることによって、海外旅行や出張中の運転でも補償が受けられます。ただし車両保険が付いていないことが多く、レンタカー会社を指定している海外旅行保険も多いのでこちらも事前によく確認しておきましょう。

海外における自動車保険の種類概要
海外旅行保険自動車運転者損害賠償責任特約を付けることによって補償
レンタカー保険自動加入の強制保険と補償を手厚くする任意保険
海外赴任者総合保障制度米国自動車保険加入紹介サービスなど

レンタカー保険とは現地でレンタカーを借りる際に契約をする自動車保険です。日本国内でレンタカーを借りる際は利用料金の中に保険料が含まれており自動的に補償が付いてきますが、海外で車を借りる際も自動的に保険への加入が必要になります。ただし海外のレンタカー保険では自分自身や搭乗者へのケガ、車両保険などは強制保険には含まれておらず、これらの補償を付けるためには海外でも任意保険に加入する必要があります。

また万が一事故に遭遇した場合に備えて日本語で対応可能なレンタカー会社を選択されることをおすすめします。日本レンタカーやオリックスなどは現地でも日本語で対応できるスタッフがいることも多く、またJAFの会員であればハーツやエイビスといった有名なレンタカー会社の会員優待を受けることもできます。海外旅行保険への加入や現地での保険料、サービス料金の支払いは海外でも利用できるクレジットカードが便利なので、出発前に1枚は持っておくように準備しておきましょう。

海外転勤や留学で車を運転する場合

海外転勤や留学で長期間海外に住むことになった場合、渡航先において任意の自動車保険に加入する方法もあります。またJALファミリークラブの会員であれば日常生活の個人賠償保険に加えて、米国の自動車保険を紹介してくれるサービスもあります。アメリカでは通勤や通学に車を使うことが多く、滞在先の住居から学校や学校までの距離だけではなく近くのスーパーマーケットや病院、駅までの距離も事前に確認しておきましょう。

この制度では自動車事故による補償を最大2億円までオプションで手厚くすることができ、借家の火災保険や弁護士費用の補償もあるので安心です。ただし、海外の法人へ所属する場合は保険の対象外となるので注意しましょう。

留学を楽しむ女性

また日本で加入している任意保険があれば、「中断証明書」を発行してもらうことによって等級がリセットされることを防ぐことができます。ほとんどの損害保険会社では中断証明書を利用することで最大10年間等級を維持することができ、再び日本国内で車を使用することになった場合は保険会社に連絡すれば以前の等級、または1つ上がった等級で任意保険の契約を行うことができます。海外赴任や留学の場合は廃車や譲渡の証明といった手続きは必要ありませんが、保険の満期日より6ヶ月以内に出国していることが取得条件となっています。

参考リンク
・地球の歩き方「特派員ブログ
・Cars Cafe「海外レンタカー保険
・JALファミリークラブ「海外赴任者総合保障制度

通販(ダイレクト型)と代理店型の違い

任意保険の自動車保険には「通販(ダイレクト)型」と「代理店型」の2種類に大きく分けることができます。代理店型とは大手損害保険会社の代理店となっている車のディーラーや修理工場、さまざな保険を取り扱っている乗合代理店などを通して自動車保険の契約を行う方法で、基本的には担当者と面談をしながら保険金額や車両保険の有無といった補償内容を決めていきます。また保険会社への手続きなどはすべて担当者が行ってくれるので、加入する側は書類を記入して保険料の支払いを済ませれば保険期間から補償がスタートすることとなります。

一方で通販(ダイレクト)型とは損害保険会社のウェブサイトや一括見積もりサービスを通じて契約者が自ら保険契約の申込みを行う方法で、保険金額や車両保険の設定、特約の付加などについても自分自身で補償内容を決定します。申込みや保険料の支払い手続きも自分自身で行う必要があり、更新を行わないと自動的に補償は終了してしまいます。

項目通販(ダイレクト)型代理店型
加入方法インターネットから直接申込み担当代理店を経由して申込み
補償設定ユーザーが自ら決定担当者と相談して決定
割引ネット割引など一般的な割引制度
ロードサービス保険会社による保険会社による
事故現場かけつけ警備スタッフによるかけつけサービスがあるところも日時、場所によっては担当者がかけつけてくれることも
保険料安い高い
支払方法クレジットカード、銀行振込などクレジットカードの取扱いがない店舗も
申込日時365日24時間可能代理店の営業時間のみ

代理店型と通販(ダイレクト)型との最も大きな違いは保険料です。代理店型は支店や営業担当、手数料などの面でコストがかかるため保険料が高めになっているのに対し、通販(ダイレクト)型では中間コストがかからないためリーズナブルな保険料設定を可能にしています。またダイレクト型ではよりきめ細やかな補償設定を行うことができる会社も多いため、必要のない保険や特約を外したり補償範囲を限定することによって保険料を削減しやすくなっているのも大きな特徴となっています。

中間コストの違い

ダイレクト型では他社からの乗り換えによる新規契約では1万円~2万円ほどの割引が受けられたり、他にも走行距離割引やゴールド免許割引といったさまざまな割引制度が充実しているだけではなく、事故率が低い世代や11等級以上の方にはより安い保険料設定となっています。また補償内容や特約の有無によってどれくらい保険料が変わるのか、サイト上ですぐに確認することができる点もダイレクト型のメリットの1つです。

  • 通販型がおすすめの方
  • ・保険料を安く抑えたいという方
  • ・自動車保険について詳しい方
  • ・事故率が低い30~50代、高い等級をお持ちの方
  • 代理店型がおすすめの方
  • ・自動車保険についてあまり詳しくない方
  • ・初めて車を購入して保険に加入される方
  • ・知り合いの担当者がいるという方

一方で代理店型では担当者が希望する条件などを聞いた上で補償内容を決めてくれるので、自動車保険にあまり詳しくないという方や大手損保へ加入したいという方にはおすすめです。特に自動車を購入して初めて任意保険に加入される方は、車両保険の有無や特約の不可については経験と知識がある担当者と相談しながら補償内容を決められることをおすすめします。また担当者が知り合いの場合、事故現場までかけつけてくれたりケガで入院することになっても事故処理などのサポートを受けることができる可能性があります。

自動車メーカーによる保険プランも

最近では自動車メーカーが独自の保険を提供するところも出てきました。例えば日産では2017年9月より「日産カーライフ保険プラン」を提供しており、一般的な保険内容に加えて「タイヤ交換」や「フロンガラス交換」などのサービスが無償で付いてくるのが特徴です。万が一の事故でもALSOKによる現場かけつけサービスもあり安心できる補償内容となっていますが、保険料は高めになっているため他社との比較検討を一度行われることをおすすめします。

他にもホンダ、マツダ、スバル、スズキなどが独自の車両保険プランを販売していますが、飛び石やいたずらによるキズを年間の限度額内であれば何度でも修理をすることができるというものです。このようなメーカー独自の保険プランを利用しても、通常であれば1等級ダウンとなる保険使用でもダウン扱いにならないというのが大きなメリットです。任意保険の車両保険を外したり車対車に限定することで保険料を節約することもできるので、メーカー独自の保険プランと補償内容についてよく確認した上で契約されることをおすすめします。

参考リンク
・NISSAN「日産カーライフ保険プラn

12月(年末年始)に交通事故が多い理由と対策

12月に入って年の瀬も迫ってまいりましたが、今年は事故に遭わなくてよかったと思っている方でも運転には気を付けなければいけない季節でもあります。事故が多い秋の行楽シーズンに引き続き12月と年末年始は一年のうちで交通事故が最も多い時期で、また事故の種類も多岐にわたっているので注意が必要です。特に雪や路面凍結が原因のスリップによる単独事故も増えるため、運転中の意識だけではなく冬季に備えて設備を点検することが大切です。

年末の交通事故死亡者数

平成26年の月別事故件数によると、12月は1年で最も事故件数が多い月となっています。また年末年始や1月も交通事故件数が多い時期となっていますが、これにはどのような理由が考えられるのでしょうか。まず考えられるのは日没時間が早く、道路周辺の環境が暗くなる時間も早くなるという点です。周りが暗くなると対向車や歩行者、自転車の発見が遅れてしまい、交通事故につながる危険性が高まります。早めのヘッドライト点灯を心がけ、車の存在を周りに知らせることも事故予防につながります。

  • 12月(年末年始)に事故が多い理由
  • ・日没時間が早く周辺が暗くなる
  • ・気温が下がると路面が凍結しスリップしやすい
  • ・忘年会などのイベントで飲酒した人が道路に多い
  • ・仕事やイベントなどで心理的に急いでいる人が多い
  • ・帰省のために久しぶりに運転するドライバーも多い

12月は本格的に雪が降り始める季節でもあり、気温が下がって路面が凍結するとスリップ事故も多くなります。またタイヤが凍ってしまうと摩擦力が低下してしまうためブレーキが効きにくくなるため、スタッドレスタイヤへの変更や雪道ではチェーン装着といった対応が大切です。遠出のドライブに行かれる場合は事前に天気予報や道路の凍結情報をチェックし、雪にはまった(スタック)場合に備えてスコップやけん引用のロープなども車に積んでおくことをおすすめします。

雪の中のドライブ

また12月や1月は忘年会や新年会でお酒を飲む機会も多く、またクリスマスやカウントダウンイベントなどで夜遅くまで遊びに出かけられる方も多いと思います。路上や交差点でもお酒を飲んでいる状態で歩行されている方も多く、通常の状態よりも周りに対する意識が低下しているために近くを通過するドライバーは徐行速度まで低下させるなど気をつけて運転することが大切です。

一方で残念なことではありますがこの季節は飲酒運転をする人が増える時期でもあります。飲酒運転はとても危険で交通事故を引き起こす可能性が高く、罰則が強化されて罰金や免許取消などの処分も大変重くなっています。0.15mg以上の酒気帯び運転でも違反点数13点、0.25mg以上の酒酔い運転の場合は違反点数35点と即時の免許取消に加えて最低でも3年以上の免許欠格処分とされます。また事故を起こした場合は刑事上の責任を負うだけではなく、民事上の責任として被害者に多額の賠償金を支払わなければいけません。自動車保険に加入していたとしても保険金が支払われないこともあるので、ドライバーだけではなく一緒にお酒を飲んでいる人も飲酒運転が絶対に行われないように気をつけましょう。

12月、年末年始の事故を防止するポイント

師走という言葉にも表れているように仕事だけではなくイベントや帰省の準備、年末までの手続きの締切などで毎日が忙しくなってくる季節です。またお歳暮などの配達で街中には配送業者も多く、駐車している車の影から冬休み中の子どもが飛び出してくる可能性もあります。この時期は急いでる気持ちを抑えて、いつもよりも慎重に危険予測して運転することが事故を起こさない大切なポイントです。

安全運転を心がけるドライバー

また実家への帰省や年末年始の旅行で長距離のドライブをされる方も多いと思います。特に気をつけなければいけないのが普段は運転をあまりしない方で、久しぶりの運転でいきなり長距離、長時間のドライブとなると緊張から身体も疲れてしまい集中力も低下しやすくなります。普段からあまり運転されない方は近所を少し運転してみたり、車の点検を事前に行うことも事故予防には大切なポイントです。

高速道路を利用される方はニュースなどから混雑状況を把握して、SAなどを利用して早めに休憩を入れるなど安全に運転できるように心がけましょう。万が一のトラブルに備えて加入中の自動車保険が提供しているロードサービスの内容や、年末年始の事故受付時間についても事前に確認しておくことをおすすめします。

参考リンク
・ダンロップ「スタッドレスタイヤとは
・Wikipedia「飲酒運転

自動車保険を使わないメリットと注意点

先日、会社を経営されている知り合いの方からご相談を受けました。従業員の方が業務として車を運転している際に原付バイクとの接触事故を起こしてしまい、相手方の原付を少し破損(片方のテールランプ)させてしまいました。自動車保険に加入していたので事故担当の方に調査をしてもらったところ、過失割合は10対0、原付が比較的新しいタイプのもので修理に必要な費用などを含めると7万円の損賠賠償という内容で相手方との話を進めているとのことでした。

  • 自動車保険を使うメリット
  • ・保険金を使って損害賠償ができる
  • 自動車保険を使うデメリット
  • ・翌年以降の保険料がアップする(等級ダウン、事故有等級の適用)
  • ・等級アップが遅れる

自動車保険に加入しているので対物賠償保険を使い保険金を損害保険会社に請求することはできますが、保険を使うと等級がダウンしてしまい保険料がアップする点に注意しなければいけません。しかも相手方の所有物を壊す「物損事故」では翌年から等級が3つダウンしてしまうだけではなく、事故有等級が適用されて保険料が大幅にアップしてしまいます。このような軽微な事故の場合では保険を使わず「相手方との示談」で済ませる方がメリットが多いこともあります。

  

経過年数保険使用保険不使用
(示談)
1年目7等級 事故有等級(20%割引)11等級 事故無等級(47%割引)
2年目8等級 事故有等級(21%割引)12等級 事故無等級(48%割引)
3年目9等級 事故有等級(22%割引)13等級 事故無等級(49%割引)
3年間の合計保険料額237,000円126,000円
4年目10等級 事故無等級(45%割引)14等級 事故無等級(50%割引)
5年目11等級 事故無等級(47%割引)15等級 事故無等級(51%割引)
6年目12等級 事故無等級(48%割引)16等級 事故無等級(52%割引)
4年目から6年目まで3年間の合計保険料額160,000円147,000円

例えば10等級の人が3等級ダウン事故を起こしてしまい保険金を請求した場合で考えてみましょう。ベースとなる保険料を10万円と仮定すると、保険金を使った場合の向こう3年間の保険料は237,000円となります。反対に保険を使わず示談で済ませた場合、3年間の保険料は合計126,000円となり10万円以上の差が生まれます。また1~5等級の場合は保険料が大きくアップしてしまうので、等級が低い方は保険を使う使わないによって保険料の差がより大きくなります。

保険を使うか悩む夫婦

また等級がアップされる時期が遅れてしまうため、4年目~6年目の3年間の保険料で比較しても保険を使用しない方が1万円ほどトータルで節約することができます。以上の点から考えると10万円を超えない損賠賠償額であれば保険を使用せずに示談で解決する方が得だと言えます。反対に10万円を超えるような大きな事故や、盗難や飛び石といった1ダウン事故であれば保険を使用した方がお得であると考えられます。

  • 3等級ダウン事故
  • ・対人賠償保険、対物賠償保険
  • ・車両保険
  • ・当て逃げ
  • 1等級ダウン事故
  • ・車の盗難
  • ・飛び石
  • ・いたずら、落書き
  • ・水災、台風
  • ノーカウント事故
  • ・搭乗者傷害保険、人身傷害保険
  • ・無保険車傷害保険
  • ・弁護士費用特約
  • ・個人賠償特約
  • ・ファミリーバイク特約

ちなみに1等級ダウン事故には車両の盗難や飛び石によるフロントガラスなどの修理も含まれているので、保険を使用したとしても翌年のみ保険料が上がるだけで2年目以降は通常の保険料となります。また人身傷害保険や無保険車障害保険のようにこちらの過失具合が問われない事故に関しては等級が下がらないノーカウント事故となります。

自動車保険を使わない場合の注意点

自動車保険を使用しない場合は相手方と示談交渉によって損害賠償額の算出や最終的な和解案について取り決める必要があります。ところが過失割合が100-0のようなどちらかに過失がない事故の場合、過失が無い方が加入している損害保険会社は示談交渉を代わりに行ってくれません。これは過失がない事故に関しては交渉が行えないことになっているためです。そのためこちらが無過失であった場合、相手方や相手方の損害保険会社と直接交渉を行う必要があります。

このような場合に自ら示談交渉に臨むのではなく交通事故専門の弁護士に交渉を委任できる弁護士費用特約というものがあります。相手方が自動車保険に加入していない場合、特に損害賠償金が大きくなるようなケースでは賠償金の支払いを拒否されることもあります。示談交渉はとても複雑で大きな手間も必要とするため、専門的な知識を持った弁護士に一任できると便利です。ちなみに弁護士費用特約を使用しても等級がダウンすることはないので、万が一の事故にあって泣き寝入りしたくないという方はこの特約をセットされることをおすすめします。

また相手方の損害が10万円、こちらの損害が20万円というような事故の場合では、双方の損害を相殺して相手方から10万円を支払ってもらう「相殺払い」という方法もあります。相殺払いでは相手方の保険会社へと請求することも可能ですが、相手が保険を使用したくないと言われたケースでは支払方法と期限を必ず書面で確認するようにしましょう。

参考リンク
・弁護士による自動車事故SOS「示談交渉で被害者がやってはいけない7つのこと

車両の盗難状況と保険による対策

先日、管理人の友人が所有する車が盗難されるという事件がありました。いつもは敷地内の駐車スペース(ゲートなどはなし)に駐車しており、もちろんキーロックはしていましたが朝に見てみると車が無くなっていたようです。警察にも被害届を出しましたが、プリウスは人気が高いため盗難されたのでは?という話になったようです。

車種盗難件数盗難率保険請求件数
1位:プリウス986件0.5%62件
2位:ハイエース878件1.1%32件
3位:ランドクルーザー478件2.2%28件
4位:エルフ289件0.4%5件
5位:キャリィ269件0.1%

2017年の車名別盗難件数によると、プリウスが986件と最も盗難の被害に遭っている車種となっています。しかしながら登録台数1000台あたりの盗難率でみてみると0.5%と、3位のランドクルーザーに比べて4分の1以下の数値となっています。プリウスは人気車種のため販売台数も多く、それに伴って盗難件数も多くなっているのが原因のようです。

盗難防止車両

日本全体の車両盗難件数は2008年の27,668件より毎年徐々に減少しており、2017年には10,213件にまで減少しました。これにはイモビライザーなどの盗難防止装置の普及をはじめ、駐車場における防犯カメラや人感センサー付きライトの設置が進んだことも車両盗難件数が減少した理由として考えられます。またココセコムのような警備会社による盗難防止サービスもあり、GPSを活用して盗まれた車の位置を探索してくれるので愛車を盗まれたくないという方におすすめです。

盗難被害の場所は駐車場が最も多く、ゲートが設置されている駐車スペースやガレージに駐車されている車はたとえキーロックが解除されてエンジンがかかったとしても盗難されにくいためだと考えらます。最近では駐車スペースをオープンにしている外構も増えてきましたが、車の盗難防止という観点で考えるとゲートやガレージを設けた方が良いでしょう。

車の盗難をカバーする車両保険と注意点

もし大切な車を盗難されたとしても、自動車保険の車両保険に加入していれば車両保険金額で設定した保険金が下ります。ただし、車両保険の中でも盗難に対する補償がある「一般形」や「限定A」で契約していることが必要です。

  • ・契約者(記名被保険者)が重大な過失がある
  • ・他人と共謀して故意に車を盗難させること

また盗難補償が適用されるためには、車が盗まれた状態がポイントとなります。例えばカギを付けっぱなしで自宅の駐車スペースに駐車していた、スペアキーをダッシュボードに入れて保管していた、などの状態では契約者に過失があると判断されて保険金は下りません。他にも保険金を目当てに友人にわざと盗ませるなど、上の条件のような場合には保険金が支払われることはありません。

盗難時の状態を調べるために損害保険会社による調査が行われることとなっており、1~2ヶ月にわたる専門調査員による調査ののちに問題が無ければ保険金が支払われます。この際に契約者に過失が無いことを証明するためにもキーロックは普段から忘れずに行い、イモビライザーといった盗難防止装置やドライブレコーダーを取り付けておかれるこをおすすめします。また保険金支払いまでの期間が長いため、代車の費用を負担してくれる代車費用負担特約なども付加させておくと安心です。

プリウスの保険料
車両保険の種類一般型エコノミー(車対車+A)ミニマム(車対車)車両保険なし
保険料66,090円48,050円46,030円32,170円
盗難補償××
※車両保険金額230万円、免責0-10万円、型式ZVW50で試算

プリウスの型式ZVW50で一般的な自動車保険の設定の下で保険料の試算をしてみました。車両保険金額が230万円と比較的高い車種であるため、車両保険をつけない場合とすべてをカバーする一般形では3万円以上の保険料の違いが見られました。ただ、盗難補償もカバーしているエコノミーと車同士の事故だけを補償するミニマムでは保険料は2,000円程度の差しか変わらず、盗難と落書き、いたずらも補償されるのでエコノミーで契約されることをおすすめします。また代車費用特約(1日あたり5,000円)を付加させると保険料が2,000円程度アップしますが、借りられる車が無い場合はオプションで付加させることも検討しておきましょう。

盗難で車両保険を使った場合、次回の更新時で1等級ダウンし1年間は事故有等級が適用されるため保険料がアップするので注意が必要です。また保険金の支払い日の翌日から60日以内に盗まれた車が発見された場合、見つかった車に引き続き乗ることもできます。その際には支払われた保険金を保険会社に返還しますが、車の一部が壊されていたり、盗まれていたとしても車両保険を使って改めて保険金をもらうことができます。

基本的に調査が終了して保険金を請求する際に、盗まれた車の名義は契約している損害保険会社のものとなります。友人は家族で旅行に出かけるという日の朝に盗難の被害に遭い、旅行はキャンセルせざるを得ませんでした。このような状況に陥らないためにも盗難防止装置の整備や駐車スペースの防犯について定期的にチェックされることをおすすめします。

参考リンク
・STOP THE 自動車盗難「自動車盗難の現状