雪の天候で自動車やバイクを運転する際の注意点と対策

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3連休の最終日となる2月11日は日本海側や北海道をはじめ、東北地方の太平洋側や西日本の山間部でも雪が積もり、連休明けの12日は積雪や路面の凍結に注意が必要です。道路に雪が積もるとどのような危険があるのか、まずは下の動画をご覧いただけたらと思います(Youtube)。

動画では雪国(主に札幌)の風景を映していますが、天候が雪の際にまず気をつけなければいけないのがスリップ事故です。雪が道路上に積もったり路面が凍結すると摩擦力が低下してブレーキが利きにくくなり、運転している車がスリップすることで対向車や横断歩道中の歩行者や自転車にぶつかってしまうという事故が起こりやすくなります。車がブレーキをかけてから止まるまでの距離を「制動距離」と呼びますが、通常の路面における制動距離10mとすると、簡単な計算方法で算出すれば圧接された雪道では30m、そして凍結した道路(アイスバーン)では80mもの距離を必要とします。

チェーンの着用

この制動距離に関係しているのがタイヤの種類で、冬用タイヤとして知られている「スタッドレス」を着用することによって接道や凍結路面上でのブレーキの利きをよくして制動距離を抑えることができます。またチェーンを着用することでもブレーキの利きを向上させることができますが、着脱が面倒だというデメリットもあります。都市部で積雪が予想される場合はスタッドレスタイヤを、雪が多い地域やスキー場などへのドライブにはチェーン着用がおすすめです。特にバイクや自転車の二輪車は雪によって滑りやすく転倒する危険性も高いので、車で追い抜く際にはスピードを落とし大きな事故につながらにように注意することが大切です。

    雪で交通事故が増える理由

  • ・積雪や路面凍結(アイスバーン)によってブレーキが利きにくくなる(スリップ事故)
  • ・フロントガラスやヘルメットに残った雪、ホワイトアウトなどによる視界不良
  • ・道路のセンターラインや標識が見えづらい、歩道や側溝との境界が分かりづらい

また雪が降るとフロントガラスやヘルメットのゴーグルにも雪が残ってしまい、通常よりも視野が狭まってしまうことも事故が増える原因です。そのため車を運転する前に車上に積もった雪を落とし、ワイパーが正常に動作するか確認するようにしましょう。雪が降っているだけでも周りが暗くなり周辺環境が見えづらくなるので、早めにヘッドライトを点灯させたりブレーキをかける際は複数回に分けてブレーキを踏み後続車が車間距離を測りやすいようにするなどの工夫も事故を防ぐために大事なポイントです。激しく雪が降っている状態では周りがほとんど見えなくなる「ホワイトアウト」状態となるので、ハザードランプを点灯させながら先行する車を見失わないようにしましょう。

雪天候における視野

道路に雪が残っているとセンターラインが見えづらくるなるため、対向車に気をつけながら走行することが事故を防ぐためにも大切です。また歩道側の側溝や水路も雪で塞がれていると道路との境目が分かりづらいので、普段の生活で通り慣れている道でも慎重に運転するように気をつけましょう。特に除雪車が出動しているような雪国では道路脇に除雪された塊が高く積み上げられていることもあり、交差点に進入する際は徐行するなどいつもより安全運転を心がけることも大切です。

種類 おすすめ プラス
装置 ABS 4WD
装備 スタッドレスタイヤ、応急用タイヤ チェーン
車載携行品 発煙筒、三角停止板、輪止め、懐中電灯、モバイルバッテリー、スコップ 毛布(タオル)、牽引ロープ、ジャッキ、アイスクレーパー、レスキューハンマー、ブースターケーブル
心がけ 安全運転、事前ルートチェック、ガソリン補給、ロードサービス確認 慎重な気持ち

雪国や雪の天候で運転をする場合、車の機能や装備、車内への携行品などについて予め確認するようにしましょう。まず車の装置ですが、最近ではほとんどの車にABS(アンチロック・ブレーキ・システム)が搭載されており、凍結した路面など摩擦力が生まれにくい状態で急ブレーキをかけた際にタイヤがロックされることで引き起こされるスリップを制御する機能があります。型式が古い車ではABS装置が搭載されていないこともあるので、ロックがかからないように数回に分けて小刻みにブレーキを踏むようにしましょう。また前輪と後輪で駆動する4WDでは坂道などで空転が起こりにくく、スキー場や山中にある温泉街で運転する場合にはおすすめです。

タイヤについてはスタッドレスタイヤであれば雪道でも十分に走行することが可能です。ただし新雪が降り積もっている場所や坂道が多い場所を走る場合はよりブレーキ機能が高まるチェーン装着をおすすめします。また万が一の事故やパンクに備えて応急用タイヤや修理キットを車内に備えておきましょう。他にも車の位置を知らせるための発煙筒や三角停止版、懐中電灯などは夜間の事故時にも役立ちます。最近ではスマホのGPSを利用して加入している保険会社へ現在位置を通知することができますが、肝心な時にバッテリーが無くなっていないように携帯電話用の充電ケーブルやモバイルバッテリーも携行されることをおすすめします。

もし雪にはまって立往生してしまった場合(スタック)、他の車で引っ張ってもらうための牽引ロープや簡易ジャッキなどもあるとレッカー車を呼ばなくても助かる場合があります。周りに助けてくれるような車がいない場合に備えて防寒用の毛布やガラスを割って外へ脱出するためのレスキューハンマーなども命を守ってくれるものとなります。また前を走っている車が動かなくなり長時間にわたって立往生しなければならない状態に陥る可能性もあります。このような場合、エアコンを動かすためにエンジンをかけたままにする方も多いと思いますが、車の周りを雪で囲まれてしまうとマフラーから排出された排気ガスが車内へ送り出されて一酸化炭素が充満することで死亡事故につながることもあります。このような事故を防ぐためにもスコップを利用してマフラー周りの排気をよくしたり、定期的に車内の換気を行うことも大切です。

そして雪道を走る上で何より大切なのはいつも以上に安全運転を心がけることです。スピードを出しすぎないことはもちろん、むやみな車間変更を避けたり、十分な車間距離を空けて停車するように心がけましょう。また事前にドライブルートを確認したりガソリンを満タンにしておくなど、慎重な気持ちを持って運転に臨まれることをおすすめします。

雪に対する自動車保険の補償

雪道でスリップして起こした事故も通常の事故と同様に補償が適用され、対人・対物賠償保険や人身傷害保険、車両保険などによって補償されます。ただし、車両保険は事故内容によっては補償の適用外となることもあるので注意が必要です。例えば車対車のみを補償対象としている限定Aタイプの車両保険で契約している場合、スリップ事故による車対車の事故では補償対象となりますが、落雪や雪崩による損害が生じても補償の対象外となります。

項目 補償適用 補償適用外
雪による車への損害 一般型、エコノミー型 限定A、車両保険なし
スリップ事故で車との衝突 対物賠償保険、車両保険(すべてのタイプ) 車両保険なし

また過失割合の計算においても、雪や路面凍結による要因は関係ないものとして算出されます。例えば雪道上を運転している際にスリップを起こし対向車線にはみ出し衝突事故を起こしたとしても、雪や路面の状態は考慮されず通常の路面と同様に過失100:0で算出されることになります。たとえ雪が原因で事故を起こしたとしても、事故を起こした責任は過失割合に応じて取る必要があるのでいつも以上に安全運転を心がけることが大切です。雪が原因で引き起こされた事故はどちらに責任が重いかについて話し合いを行う過程で双方が納得いかないことも多く、示談交渉や裁判に発展することもあるので万が一に備えて弁護士費用を負担してくれる特約を付帯させておけば安心です。

単独事故の場合でも落輪引き上げやスタックからのレッカー移動などのサービスを無料で利用できる「ロードサービス」が役に立ちます。特に提携している警備会社の緊急スタッフが事故現場までかけつけてくれるサービスは、事故現場の撮影や警察への連絡なども代行してくれるのでいざという際に心強い存在です。事故受付も24時間365日に対応しており、平日の夜間でも事故対応を行ってくれる保険会社もおすすめです。

参考リンク
・三重河川国道事務所「スタッドレスタイヤの機能
・マイカー賃貸カルモ「4WDのメリットは雪道での発進しやすさに尽きる!
・ソニー損保「大雪、雪崩による損害

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