2018年 11月 の投稿一覧

自動車保険を使わないメリットと注意点

先日、会社を経営されている知り合いの方からご相談を受けました。従業員の方が業務として車を運転している際に原付バイクとの接触事故を起こしてしまい、相手方の原付を少し破損(片方のテールランプ)させてしまいました。自動車保険に加入していたので事故担当の方に調査をしてもらったところ、過失割合は10対0、原付が比較的新しいタイプのもので修理に必要な費用などを含めると7万円の損賠賠償という内容で相手方との話を進めているとのことでした。

  • 自動車保険を使うメリット
  • ・保険金を使って損害賠償ができる
  • 自動車保険を使うデメリット
  • ・翌年以降の保険料がアップする(等級ダウン、事故有等級の適用)
  • ・等級アップが遅れる

自動車保険に加入しているので対物賠償保険を使い保険金を損害保険会社に請求することはできますが、保険を使うと等級がダウンしてしまい保険料がアップする点に注意しなければいけません。しかも相手方の所有物を壊す「物損事故」では翌年から等級が3つダウンしてしまうだけではなく、事故有等級が適用されて保険料が大幅にアップしてしまいます。このような軽微な事故の場合では保険を使わず「相手方との示談」で済ませる方がメリットが多いこともあります。

  

経過年数保険使用保険不使用
(示談)
1年目7等級 事故有等級(20%割引)11等級 事故無等級(47%割引)
2年目8等級 事故有等級(21%割引)12等級 事故無等級(48%割引)
3年目9等級 事故有等級(22%割引)13等級 事故無等級(49%割引)
3年間の合計保険料額237,000円126,000円
4年目10等級 事故無等級(45%割引)14等級 事故無等級(50%割引)
5年目11等級 事故無等級(47%割引)15等級 事故無等級(51%割引)
6年目12等級 事故無等級(48%割引)16等級 事故無等級(52%割引)
4年目から6年目まで3年間の合計保険料額160,000円147,000円

例えば10等級の人が3等級ダウン事故を起こしてしまい保険金を請求した場合で考えてみましょう。ベースとなる保険料を10万円と仮定すると、保険金を使った場合の向こう3年間の保険料は237,000円となります。反対に保険を使わず示談で済ませた場合、3年間の保険料は合計126,000円となり10万円以上の差が生まれます。また1~5等級の場合は保険料が大きくアップしてしまうので、等級が低い方は保険を使う使わないによって保険料の差がより大きくなります。

保険を使うか悩む夫婦

また等級がアップされる時期が遅れてしまうため、4年目~6年目の3年間の保険料で比較しても保険を使用しない方が1万円ほどトータルで節約することができます。以上の点から考えると10万円を超えない損賠賠償額であれば保険を使用せずに示談で解決する方が得だと言えます。反対に10万円を超えるような大きな事故や、盗難や飛び石といった1ダウン事故であれば保険を使用した方がお得であると考えられます。

  • 3等級ダウン事故
  • ・対人賠償保険、対物賠償保険
  • ・車両保険
  • ・当て逃げ
  • 1等級ダウン事故
  • ・車の盗難
  • ・飛び石
  • ・いたずら、落書き
  • ・水災、台風
  • ノーカウント事故
  • ・搭乗者傷害保険、人身傷害保険
  • ・無保険車傷害保険
  • ・弁護士費用特約
  • ・個人賠償特約
  • ・ファミリーバイク特約

ちなみに1等級ダウン事故には車両の盗難や飛び石によるフロントガラスなどの修理も含まれているので、保険を使用したとしても翌年のみ保険料が上がるだけで2年目以降は通常の保険料となります。また人身傷害保険や無保険車障害保険のようにこちらの過失具合が問われない事故に関しては等級が下がらないノーカウント事故となります。

自動車保険を使わない場合の注意点

自動車保険を使用しない場合は相手方と示談交渉によって損害賠償額の算出や最終的な和解案について取り決める必要があります。ところが過失割合が100-0のようなどちらかに過失がない事故の場合、過失が無い方が加入している損害保険会社は示談交渉を代わりに行ってくれません。これは過失がない事故に関しては交渉が行えないことになっているためです。そのためこちらが無過失であった場合、相手方や相手方の損害保険会社と直接交渉を行う必要があります。

このような場合に自ら示談交渉に臨むのではなく交通事故専門の弁護士に交渉を委任できる弁護士費用特約というものがあります。相手方が自動車保険に加入していない場合、特に損害賠償金が大きくなるようなケースでは賠償金の支払いを拒否されることもあります。示談交渉はとても複雑で大きな手間も必要とするため、専門的な知識を持った弁護士に一任できると便利です。ちなみに弁護士費用特約を使用しても等級がダウンすることはないので、万が一の事故にあって泣き寝入りしたくないという方はこの特約をセットされることをおすすめします。

また相手方の損害が10万円、こちらの損害が20万円というような事故の場合では、双方の損害を相殺して相手方から10万円を支払ってもらう「相殺払い」という方法もあります。相殺払いでは相手方の保険会社へと請求することも可能ですが、相手が保険を使用したくないと言われたケースでは支払方法と期限を必ず書面で確認するようにしましょう。

参考リンク
・弁護士による自動車事故SOS「示談交渉で被害者がやってはいけない7つのこと

車両の盗難状況と保険による対策

先日、管理人の友人が所有する車が盗難されるという事件がありました。いつもは敷地内の駐車スペース(ゲートなどはなし)に駐車しており、もちろんキーロックはしていましたが朝に見てみると車が無くなっていたようです。警察にも被害届を出しましたが、プリウスは人気が高いため盗難されたのでは?という話になったようです。

車種盗難件数盗難率保険請求件数
1位:プリウス986件0.5%62件
2位:ハイエース878件1.1%32件
3位:ランドクルーザー478件2.2%28件
4位:エルフ289件0.4%5件
5位:キャリィ269件0.1%

2017年の車名別盗難件数によると、プリウスが986件と最も盗難の被害に遭っている車種となっています。しかしながら登録台数1000台あたりの盗難率でみてみると0.5%と、3位のランドクルーザーに比べて4分の1以下の数値となっています。プリウスは人気車種のため販売台数も多く、それに伴って盗難件数も多くなっているのが原因のようです。

盗難防止車両

日本全体の車両盗難件数は2008年の27,668件より毎年徐々に減少しており、2017年には10,213件にまで減少しました。これにはイモビライザーなどの盗難防止装置の普及をはじめ、駐車場における防犯カメラや人感センサー付きライトの設置が進んだことも車両盗難件数が減少した理由として考えられます。またココセコムのような警備会社による盗難防止サービスもあり、GPSを活用して盗まれた車の位置を探索してくれるので愛車を盗まれたくないという方におすすめです。

盗難被害の場所は駐車場が最も多く、ゲートが設置されている駐車スペースやガレージに駐車されている車はたとえキーロックが解除されてエンジンがかかったとしても盗難されにくいためだと考えらます。最近では駐車スペースをオープンにしている外構も増えてきましたが、車の盗難防止という観点で考えるとゲートやガレージを設けた方が良いでしょう。

車の盗難をカバーする車両保険と注意点

もし大切な車を盗難されたとしても、自動車保険の車両保険に加入していれば車両保険金額で設定した保険金が下ります。ただし、車両保険の中でも盗難に対する補償がある「一般形」や「限定A」で契約していることが必要です。

  • ・契約者(記名被保険者)が重大な過失がある
  • ・他人と共謀して故意に車を盗難させること

また盗難補償が適用されるためには、車が盗まれた状態がポイントとなります。例えばカギを付けっぱなしで自宅の駐車スペースに駐車していた、スペアキーをダッシュボードに入れて保管していた、などの状態では契約者に過失があると判断されて保険金は下りません。他にも保険金を目当てに友人にわざと盗ませるなど、上の条件のような場合には保険金が支払われることはありません。

盗難時の状態を調べるために損害保険会社による調査が行われることとなっており、1~2ヶ月にわたる専門調査員による調査ののちに問題が無ければ保険金が支払われます。この際に契約者に過失が無いことを証明するためにもキーロックは普段から忘れずに行い、イモビライザーといった盗難防止装置やドライブレコーダーを取り付けておかれるこをおすすめします。また保険金支払いまでの期間が長いため、代車の費用を負担してくれる代車費用負担特約なども付加させておくと安心です。

プリウスの保険料
車両保険の種類一般型エコノミー(車対車+A)ミニマム(車対車)車両保険なし
保険料66,090円48,050円46,030円32,170円
盗難補償××
※車両保険金額230万円、免責0-10万円、型式ZVW50で試算

プリウスの型式ZVW50で一般的な自動車保険の設定の下で保険料の試算をしてみました。車両保険金額が230万円と比較的高い車種であるため、車両保険をつけない場合とすべてをカバーする一般形では3万円以上の保険料の違いが見られました。ただ、盗難補償もカバーしているエコノミーと車同士の事故だけを補償するミニマムでは保険料は2,000円程度の差しか変わらず、盗難と落書き、いたずらも補償されるのでエコノミーで契約されることをおすすめします。また代車費用特約(1日あたり5,000円)を付加させると保険料が2,000円程度アップしますが、借りられる車が無い場合はオプションで付加させることも検討しておきましょう。

盗難で車両保険を使った場合、次回の更新時で1等級ダウンし1年間は事故有等級が適用されるため保険料がアップするので注意が必要です。また保険金の支払い日の翌日から60日以内に盗まれた車が発見された場合、見つかった車に引き続き乗ることもできます。その際には支払われた保険金を保険会社に返還しますが、車の一部が壊されていたり、盗まれていたとしても車両保険を使って改めて保険金をもらうことができます。

基本的に調査が終了して保険金を請求する際に、盗まれた車の名義は契約している損害保険会社のものとなります。友人は家族で旅行に出かけるという日の朝に盗難の被害に遭い、旅行はキャンセルせざるを得ませんでした。このような状況に陥らないためにも盗難防止装置の整備や駐車スペースの防犯について定期的にチェックされることをおすすめします。

参考リンク
・STOP THE 自動車盗難「自動車盗難の現状