2018年 11月 の投稿一覧

車両の盗難状況と保険による対策

先日、管理人の友人が所有する車が盗難されるという事件がありました。いつもは敷地内の駐車スペース(ゲートなどはなし)に駐車しており、もちろんキーロックはしていましたが朝に見てみると車が無くなっていたようです。警察にも被害届を出しましたが、プリウスは人気が高いため盗難されたのでは?という話になったようです。

車種 盗難件数 盗難率 保険請求件数
1位:プリウス 986件 0.5% 62件
2位:ハイエース 878件 1.1% 32件
3位:ランドクルーザー 478件 2.2% 28件
4位:エルフ 289件 0.4% 5件
5位:キャリィ 269件 0.1%

2017年の車名別盗難件数によると、プリウスが986件と最も盗難の被害に遭っている車種となっています。しかしながら登録台数1000台あたりの盗難率でみてみると0.5%と、3位のランドクルーザーに比べて4分の1以下の数値となっています。プリウスは人気車種のため販売台数も多く、それに伴って盗難件数も多くなっているのが原因のようです。

盗難防止車両

日本全体の車両盗難件数は2008年の27,668件より毎年徐々に減少しており、2017年には10,213件にまで減少しました。これにはイモビライザーなどの盗難防止装置の普及をはじめ、駐車場における防犯カメラや人感センサー付きライトの設置が進んだことも車両盗難件数が減少した理由として考えられます。またココセコムのような警備会社による盗難防止サービスもあり、GPSを活用して盗まれた車の位置を探索してくれるので愛車を盗まれたくないという方におすすめです。

盗難被害の場所は駐車場が最も多く、ゲートが設置されている駐車スペースやガレージに駐車されている車はたとえキーロックが解除されてエンジンがかかったとしても盗難されにくいためだと考えらます。最近では駐車スペースをオープンにしている外構も増えてきましたが、車の盗難防止という観点で考えるとゲートやガレージを設けた方が良いでしょう。

車の盗難をカバーする車両保険と注意点

もし大切な車を盗難されたとしても、自動車保険の車両保険に加入していれば車両保険金額で設定した保険金が下ります。ただし、車両保険の中でも盗難に対する補償がある「一般形」や「限定A」で契約していることが必要です。

  • ・契約者(記名被保険者)が重大な過失がある
  • ・他人と共謀して故意に車を盗難させること

また盗難補償が適用されるためには、車が盗まれた状態がポイントとなります。例えばカギを付けっぱなしで自宅の駐車スペースに駐車していた、スペアキーをダッシュボードに入れて保管していた、などの状態では契約者に過失があると判断されて保険金は下りません。他にも保険金を目当てに友人にわざと盗ませるなど、上の条件のような場合には保険金が支払われることはありません。

盗難時の状態を調べるために損害保険会社による調査が行われることとなっており、1~2ヶ月にわたる専門調査員による調査ののちに問題が無ければ保険金が支払われます。この際に契約者に過失が無いことを証明するためにもキーロックは普段から忘れずに行い、イモビライザーといった盗難防止装置やドライブレコーダーを取り付けておかれるこをおすすめします。また保険金支払いまでの期間が長いため、代車の費用を負担してくれる代車費用負担特約なども付加させておくと安心です。

プリウスの保険料
車両保険の種類 一般型 エコノミー(車対車+A) ミニマム(車対車) 車両保険なし
保険料 66,090円 48,050円 46,030円 32,170円
盗難補償 × ×
※車両保険金額230万円、免責0-10万円、型式ZVW50で試算

プリウスの型式ZVW50で一般的な自動車保険の設定の下で保険料の試算をしてみました。車両保険金額が230万円と比較的高い車種であるため、車両保険をつけない場合とすべてをカバーする一般形では3万円以上の保険料の違いが見られました。ただ、盗難補償もカバーしているエコノミーと車同士の事故だけを補償するミニマムでは保険料は2,000円程度の差しか変わらず、盗難と落書き、いたずらも補償されるのでエコノミーで契約されることをおすすめします。また代車費用特約(1日あたり5,000円)を付加させると保険料が2,000円程度アップしますが、借りられる車が無い場合はオプションで付加させることも検討しておきましょう。

盗難で車両保険を使った場合、次回の更新時で1等級ダウンし1年間は事故有等級が適用されるため保険料がアップするので注意が必要です。また保険金の支払い日の翌日から60日以内に盗まれた車が発見された場合、見つかった車に引き続き乗ることもできます。その際には支払われた保険金を保険会社に返還しますが、車の一部が壊されていたり、盗まれていたとしても車両保険を使って改めて保険金をもらうことができます。

基本的に調査が終了して保険金を請求する際に、盗まれた車の名義は契約している損害保険会社のものとなります。友人は家族で旅行に出かけるという日の朝に盗難の被害に遭い、旅行はキャンセルせざるを得ませんでした。このような状況に陥らないためにも盗難防止装置の整備や駐車スペースの防犯について定期的にチェックされることをおすすめします。

参考リンク
・STOP THE 自動車盗難「自動車盗難の現状

保険金が支払われないケースと注意点

任意保険に加入していても支払い条件を満たすことができなければ、保険会社に保険金を請求しても支払われないこともあるので注意する必要があります。例えば飲酒運転や煽り運転によって事故を引き起こしたのであれば運転者に重大な過失があると判断され、保険会社が定める「免責事項」に該当するため保険金が支払われることはありません。

頭を抱える男性

このような免責事項は契約時に確認することとなっていますが、免責事項が記載されている約款は文章も長く記載されている内容も難しいため、細かいところま確認をせずに契約をされている方も多いと思います。主な損害保険会社では以下のようなケースにおいて保険金を支払わないこととしています。

  • 保険金が支払われないケース
  • ・契約者、被保険者の故意による事故
  • ・記名被保険者の父母、配偶者、子に対する対人、対物補償
  • ・被保険者の重大な過失(酒気帯びまたは飲酒運転、薬物接種による正常に運転できない場合なども)による事故で本人や契約車両に生じた損害
  • ・無免許で運転した場合で本人や契約車両に生じた損害
  • ・海外での交通事故
  • ・運転者限定、年齢制限、使用目的などの補償範囲を外れたケース
  • ・地震、噴火、津波などの大規模な自然災害によって生じた損害
  • ・戦争、外国からの武力行使、暴動、テロ、核燃料物質などによって生じた損害

契約者や被保険者の故意による交通事故は自動車保険のあらゆる補償から外れます。例えばわざと電柱にぶつけて車を壊し、車両保険で修理費用を支払ってもらおうとしても保険会社の審査によって支払いを拒否されます。これと同様の理由で親族に対する対人、対物賠償保険も補償の対象外となっています。例えば駐車や発車の際に自分の子どもを車でぶつけてしまい亡くなるというケースもありますが、このような場合でも保険金が支払われることはありません。

また無免許で運転した場合ももちろん保険金が支払われることはありません。契約時には記名被保険者が運転免許証を持っていることを告知する必要がありますが、契約途中で免許停止や免許取り消しになったり、補償範囲に含めている家族や配偶者が無免許で運転しても保険金は支払われません。

しかしながら飲酒運転や煽り運転、無免許運転などの重大な過失がある運転の場合でも、被害者救済の観点から他人や他人の所有物を補償する「対人、対物賠償保険」は支払い対象となっています。運転していた本人が人身傷害保険に加入していたり、契約車両に車両保険をかけていても重大な過失の運転の場合は補償の対象外となります。

支払い対象 本人、契約車両 配偶者、子ども 他人、他人の所有物
故意による事故 × × ×
重大な過失 × △ ※1
海外における事故 × × ×
補償範囲外の事故 × × ×
台風、洪水、高潮 × × ×
地震、津波、噴火 × × ×
※1 対人、対物賠償保険を除く

また補償範囲から外れた人が契約対象の車両を運転して事故を起こしても補償対象外となります。運転者限定(家族限定、配偶者限定など)や年齢条件(26歳以上など)をつけることによって保険料を抑えることができますが、任意保険の補償から外れる人が生じるので注意が必要です。特にダイレクト型自動車保険の場合は自分自身で補償内容を設定していくので、万が一の際にも補償漏れが無いように契約前によく確認することが大切です。

使用目的や住所(主に運転する地域)も告知事項となっているため、事実と異なる内容で契約を行うことは避けましょう。地震、津波、噴火といった大規模災害の場合はも保険金は支払われることはありません。その理由としては災害の規模によっては対象となるすべての保険金を支払うと保険会社が倒産する恐れもあるので、免責事項には保険金を支払わないと記載されています。

保険金を請求できる場合も時効に注意

保険金の支払い対象となる事故の場合でも、事故から60日以内に保険会社に連絡を入れないと保険金支払いを拒否されるので注意が必要です。例えば事故の相手方から示談で解決したいという提案があり、交渉を続けているうちに60日が過ぎてしまったとします。その後、相手方から補償は行わないと言われてしまって慌てて保険会社に連絡をしても保険金支払いの対象外とされてしまうので注意が必要です。

また保険金が実際に支払われるためには保険会社からの調査を受けたり、振込先を通知するなどの請求手続きが必要となります。保険会社に事故が起こったことを連絡していても、保険金請求を行わないまま3年が過ぎると時効が成立してしまいます。保険金支払い対象となる事故にあったら、まずは保険会社に連絡を行い、担当者の指示に従って速やかに保険金請求の手続きを済ませるようにしましょう。

参考リンク
・損保ジャパン日本興亜「保険金が支払われないケースはどのようなものがありますか?