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2019年4月から実施される各損保会社の変更点

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新年号「令和」も発表されて4月1日より新しい年度もスタートしました。職場が変わったり新しい地域で生活をスタートされた方もたくさんいらっしゃると思いますが、年度が変わるタイミングで契約に関わる約款を変更することがよくあります。自動車保険においてもいくつか変更された点がありますのでまとめて紹介したいと思います。

損害保険会社変更点
イーデザイン損保・「車両無過失事故」の適用拡大
・「保険金のお支払いをしない場合」の適用変更
・保険料の改訂
ソニー損保・「無事故割引(2,000円)」の新設
・ゴールド免許割引10%から12%に
・新車割引5%から9%に
・個人賠償責任特約の上限を3億円に
楽天損保・ゴールド免許割引15%適用
・新車割引10%(車両保険は8%)適用
損保ジャパン日本興亜
東京海上日動
三井住友海上
・保険料改訂に伴い大口団体割引の割引率の変更

まずイーデザイン損保ですが、2019年4月20日より自動車保険の契約内容を改訂します。1つ目の変更点は車両無過失事故の適用拡大で、自動走行システムを利用していた際に起こった事故に対しては条件を満たせば等級がダウンすることなく保険金を受け取れるというものです。これが適用されるためには運転者に過失がなく、車両に対するハッキングや欠陥が原因であると証明されることが必要です。例えば正常にブレーキを踏んでいたのに車が勝手に動いてしまって物を壊してしまった場合などです。また危険ドラッグなどを使用して車を正常に運転できない状態で事故を起こしても保険金を受け取ることができなくなります。

次にソニー損保ですが、2019年4月1日以降の契約者を対象に「無事故割引」を適用させました。前年の任意保険の契約において等級がダウンする事故を起こさなかった方を対象に2,000円の保険料割引が適用されます。無事故割引は他社からの乗り換えでも条件を満たせば適用されますが、一部の共済には対応していないので契約前に確認されることをおすすめします。また「ゴールド免許割引」の割引率を従来よりアップさせ、事故率が低い安全運転を心がける人にとっては嬉しい改訂となります。他にも「個人賠償責任特約」の上限を3億円までに引き上げたことで、昨今話題になっている自転車事故による高額な賠償にも備えることができるようになりました。

また2018年に朝日海上火災から楽天損害保険会社へと社名を変更した楽天損保ですが、2019年4月1日よりゴールド免許保有者に対して15%の保険料割引を適用させました。登録から25ヶ月以内の新車であれば対人賠償保険や人身傷害保険の保険料が10%割引、車両保険が8%割引となります。楽天損保の場合は個人でも最大で6年の長期契約ができるので、途中で事故を起こしても保険料がアップしにくいというメリットもあります。

保険料の見積もり書と電卓

大手の損害保険会社が企業向けに行っている「大口団体契約割引」ですが、保険料率の改訂にともなってほとんどの団体契約で割引率をアップさせました。ダイレクト型ではネット割引10,000円のように固定した金額で割引を受けられますが、団体割引の場合は割引率が27%というところもあります。そのため、保険料が高くなる若い世代や補償を手厚くしたり補償範囲を広げたいという方にとっては団体割引で加入した方が保険料を安くできる可能性もあります。大口契約は一部の代理店でしか行っていないため、見積もりを依頼したい方はお近くの店舗までお問い合わせしてください。

各社で共通して変更されるのは「家族限定」が廃止されるという点と保険料率の変更に伴って保険料が下がるという2点です。家族限定は1~2%ほどの割引率でしたが、車の利用形態などの変化に応じて廃止されることとなっていました。その一方で同性パートナーに対しても配偶者割引を適用することができる損害保険会社(損保ジャパン日本興亜、東京海上日動、ソニー損保など)も増えてきました。割引適用のためには双方の署名による同意書や自治体が定めるパートナー制度の書類などの提出が必要となります。

自賠責保険の保険料は据え置きに

2019年度から適用される自賠責保険の保険料は2018年と同じとなりました。算定基準となる損害率(支払保険金/収入純保険料*100)が2018年度とほとんど変わらなかったため、保険料率も据え置かれたためです。自賠責保険については事故に対する補償として支払われた「支払保険金」と車やバイクを運転している人が支払った保険料から経費などを差し引いた「収入純保険料」のバランスを見て保険料が決まります。任意保険の料率も事故率の低下とともに下がっていっているため、今後は自賠責保険の保険料も下がることが期待されています。

参考リンク
・金融庁「第139回自動車損害賠償責任保険審議会の開催結果について

2019年における自動車保険の動向

あと10日余りで今年も終わろうとしていますが、2018年の自動車保険業界における動きをおさらいしながら2019年に改定されるポイントなどを解説します。まず2017年5月に認可された参考純率の改定の影響を受けて、2018年1月1日より各社の保険料が一律で引き下げられました。これは主に衝突安全ブレーキが搭載された車の普及によって事故率が低下したことが関係しています。

全体の事故率が下がったことで損害保険各社は保険料を2~3%引き下げましたが、2019年の保険料についてはほとんどの損保会社が据え置くことを決めました。近年はゲリラ豪雨や台風などが多発し、2018年もその影響で数多くの契約車両が被害を受けたことで車両保険を使う人が増え、保険金の支払いが増えたことも影響していると考えられます。

  • 2018年における自動車保険の動向
  • ・保険料の引き下げ(2~3%)
  • ・家族限定(子供特約)の廃止、本人配偶者限定の割引率減少
  • ・警備スタッフの現場かけつけ、ロードサービスの拡充

また2018年10月~2019年1月にかけて補償範囲の中から「家族限定(子供特約)」が廃止、「本人・配偶者限定」については割引率の引き下げが実施されました。これまで家族限定で契約されていた方は「限定なし」を選択して自動車保険を更新しなければ、「同居の親族」「別居の未婚の子」は補償から外れることになるので注意が必要です。

例えば、これまでお正月に実家に帰省した際に実家の車を運転していた別居の子ども(婚姻歴なし)がいたとします。その子供が運転中に事故を起こした場合、「家族限定」から「本人限定」「配偶者限定」の補償範囲に切り替えて契約しているのであれば、自動車保険の補償を受けられず保険金を受け取ることはできません。「限定なし」にすると保険料もアップされるため、今後は帰省中に車を使うのかどうかなど補償範囲について次回の更新までにご家族と相談しておかれることをおすすめします。

家族でドライブ

以前から事故時に現場まで専門スタッフがかけつけるサービスがありましたが、昨今、「煽り運転」が社会問題として大きく取り上げられることによって他のドライバーから身を守るニーズが高まってきました。2018年からテレビCMなどにおいて現場かけつけサービスをアピールする損保会社も増えてきました。2019年も事故現場かけつけサービスを提供する損保会社が増えると予想されており、ロードサービスや会員限定クーポンも含めて各社が無料で提供するサービスに期待したいところです。

保険会社現場かけつけサービス
・イーデザイン損保
・ソニー損保
・セコム損保
セコム事故現場急行サービス
・おとなの自動車保険ALSOK事故現場安心サポート
・JA共済ALSOK夜間休日現場急行サービス
・全労済現場急行サービス

例えばSBI損保では3年目以降の契約者を対象に「ロードサービスプレミアム」を提供しており、カギの閉じ込めだけではなくカギの作成、宿泊費用も2泊分、現場復旧作業が時間無制限など今までになかった1つ上のサービスを提供しています。またダイレクト型自動車保険を提供してる損保会社は保険料の値下げや割引制度を充実させる動きを強めており、イーデザイン損保の「無事故割」をはじめ差別化を図っています。

2019年に予想される動向と自動車保険の契約ポイント

  • 2019年
  • ・保険料は据え置き
  • ・テレマティクス保険の拡充
  • ・車両料率クラスの細分化に向けた準備

他にもテレマティクスを活かした走行距離割引や安全運転スコアによる保険料割引などを導入する損保会社が増えると予想されています。またドライブレコーダーを利用して事故受付を自動で連絡を行ったり、事故時の映像を解析して示談交渉の際に利用するなどのサービスも始まっています。2018年10月にはソフトバンクとトヨタが共同で新しいモビリティサービスを開発する会社を設立することを発表し、自動運転システムに対応した損害保険の準備もより一層進むことも期待されています。

また2020年1月より車両料率クラスがより細分化されることとなっており、普通・小型乗用車は9クラスから13クラスに、軽自動車はすべて同じクラスでしたが3クラスに分類されることになりました。これによって衝突安全ブレーキの有無による安全性や、車両の市場価格における評価がより細かく分類され保険料に適用されることになります。

2019年の前半はこれまで通りの料率クラスで保険料が計算されると考えられていますが、後半に入る頃には来年の改正も踏まえて損保会社からの案内が届くと思います。更新のタイミングによって保険料が上下することも考えられるので、現在契約している自動車がどのクラスに分類されるかをよく確認されることをおすすめします。

参考リンク
・ソフトバンク「新しいモビリティサービスの構築に向けて戦略的提携に合意し、共同出資会社を設立
・Carview「2020年以降、クルマの保険料が変わる?型式条件変更でいまよりオトクになる可能性も

2018年参考純率改定による保険料への影響

2018年の自動車保険の動向についてですが、まず保険料に関しては1月1日より一律で引き下げられ10月の改定でもさらに保険料が下がる見通しとなっています。1月より保険料が引き下げられたのは「衝突被害軽減ブレーキ(AEB)」の普及に伴って事故率が下がったことが影響しています。

衝突軽減ブレーキ(AEB)とは車に搭載されたレーダーとカメラによって前方の車や歩行者を感知し、車内コンピュータが衝突すると予測するとアラームを鳴らしたり衝突が避けられないと判断すると自動的にブレーキをかけるシステムのことです。損害保険料率算出機構による調査ではAEBありの車ではAEBなしの車よりも事故率が9%下がったというデータがあり、この結果によってAEBあり発売後3年以内の型式車に対しては9%の割引が適用されることになりました。

子供の飛び出しと自動ブレーキ

また保険会社が自動車保険の保険料を算出する際に参考にされる「参考純率」が8%引き下げられ、AEBの有無に関わらず保険料引き下げに影響を与えることになりました。参考純率は損害保険料率算出機構が保険会社からの事故や保険金支払いに関するデータをもとに作成したもので、保険料計算のもととなる「保険料区分」などが毎年算出されます。2017年5月に金融庁に対して改定の届出を出して認可され、2018年1月1日より新しい参考純率がスタートしました。ただし保険会社は参考純率を必ずしも保険料に反映させる義務はなく、主な保険会社の引き下げ率も2~3%にとどまっています。

  • 主な損害保険会社の保険料引き下げ率(2018年1月1日より)
  • ・三井住友海上火災保険 → 3%
  • ・あいおいニッセイ同和損害保険 → 3%
  • ・東京海上日動火災保険 → 2.4%
  • ・損害保険ジャパン日本興亜 → 2%

2014年の新車におけるAEB装着率は41%となっていますが、高齢者ドライバーによるアクセルとペダルの踏み間違え事故も増加していることから2020年を目途にAEB装着を義務化する方向で進んでいます。以前はエアバッグがある車に対して保険料が割引される制度もありますが、現在は標準化されたことによってエアバッグ割引は無くなりました。今後もAEBの普及に伴って車両別料率による割引やAEB割引も無くなると予想されています(実際は割引済みの保険料が標準となります)。

家族限定割引と新規契約時の年齢条件廃止(2018年10月)

また運転者を限定することで保険料が割引されていた「家族限定割引」は2018年10月を目途に廃止される方向で進んでいます。若年層の車離れや家族で車を共有することが少なくなり、家族限定割引を設定している契約者は全体の15%程度に収まっています。

保険料の割引率も数%ですし廃止されたことによって大きな影響はありませんが、次回の更新時には「運転者限定なし」に設定しておくことが大切です。また新規契約の年齢条件による割引も一律に変わり、6等級は4%割増し、7等級は34%割引きとなります。これまで18~20歳の新規契約者(6等級)は28%割増しと高い保険料率になっていましたから、年齢が若い人にとっては大幅な保険料ダウンになりました。

参考リンク
・損害保険料率算出機構「自動車保険参考純率
・HONDA「衝突被害軽減ブレーキ